「営業成績が思うように上がらない」、「営業社員によって成果の差が大きい」といった悩みがある場合は、営業目標を見直してみましょう。営業目標とは、四半期や一年など一定の期間を決めて、売上や販売数量などの目標を具体的に定めたものを指します。営業目標を適切に設定することで、営業社員の役割分担の明確化や、やる気やモチベーションの向上といったメリットがあります。営業成績が伸び悩んでいる企業は、まず営業目標の設定や管理に取り組みましょう。この記事では、営業目標の必要性や設定するときの流れ、営業目標を達成するためのコツについて解説します。
目次
なぜ営業目標が必要なのか?目標設定をすべき2つの理由
そもそも、なぜ営業目標を設定する必要があるのでしょうか。営業目標は営業社員を管理し、チームの営業課題を解決するためにあります。また、適切な難易度のストレッチゴールを設定することで、営業社員のやる気やモチベーションを刺激し、成長やスキルアップを促進する効果も期待できます。営業目標を設定すべき理由を2つ紹介します。
営業社員の役割分担を明確化する
売上を伸ばすには、営業社員が目標達成に向けて協力し、チームワークを発揮する必要があります。たとえば、近年は営業プロセスによって役割分担を実施し、見込み顧客を育てて購入意欲を高める「インサイドセールス」と、顧客を直接訪問してクロージングやアフターフォローを担当する「フィールドセールス」の分業体制を採用する企業が一般的です。営業目標を設定し、チームメンバー一人ひとりのタスクを可視化することで、営業活動における責任範囲を明確化できます。営業活動の役割分担を行うときは、営業社員の強みや個性を分析し、適材適所の人員配置になるように目標を設定することが大切です。
営業社員のやる気やモチベーションが向上する
現実的に達成可能な営業目標を設定することで、営業社員のやる気やモチベーションを向上させることができます。営業目標を設定する場合、チーム目標とは別に個人目標を設定するのも効果的です。営業現場で積極的に活用されているのが、「目標管理(MBO)」と呼ばれる手法です。目標管理とは、営業社員が自発的に目標を設定し、達成度に応じて管理者から評価やフィードバックを受ける手法を指します。目標管理の手法を取り入れることで、営業社員が成功体験を積み重ねることができ、モチベーションの向上やスキルアップにつながります。
営業目標を設定するための2つのステップ
ただし、誤った営業目標を設定すると、かえって現場の営業チームが混乱し、業務効率や生産性を低下させる恐れがあります。営業目標を考えるときは、まず自社の営業課題を分析したうえで、現実的に達成可能な目標を設定することが大切です。目標を設定するときは 「SMARTの法則」を意識しましょう。ここでは、営業目標を設定するための2つのステップを紹介します。
過去の実績を分析し、課題や問題点を探す
営業目標は企業の目指すべきゴールや、自社の置かれた状況と結びついたものを設定する必要があります。まずは前年度の実績を分析し、営業活動の課題や問題点を洗い出しましょう。また、競合他社の動向や市場の動向など、外部要因についても分析することが大切です。「売上」、「成約率」、「販売本数」、「新規顧客の獲得」、「既存顧客の関係維持」など、自社の営業課題を明確に分析したうえで目標設定を行いましょう。現場の営業社員にとっても営業目標の根拠がわかりやすくなるため、目標達成率の向上にもつながります。
SMARTの法則により、目標を具体化する
あまりにも現実離れした営業目標を設定すると、かえって現場の混乱を招きます。営業目標を設定するときは、「SMARTの法則」を意識しましょう。SMARTの法則とは、「Specific(具体性)」、「Measurable(計量性)」、「Achievable(達成可能性)」「Relevant(関連性)」、「Time-bound(期限)」の5つの頭文字をとった言葉です。
Specific(具体性) | 抽象的な目標は避け、当人以外でも理解できるような明確で具体的な目標を設定する |
Measurable(計量性) | 目標は可能な限り数値化、データ化し、数字で管理できるような目標を設定する |
Achievable(達成可能性) | 企業が置かれた状況に基づき、現実的に達成可能な目標を設定する |
Relevant(関連性) | 会社の経営目標から逆算し、目標達成を通じて会社に貢献できるような目標を設定する |
Time-bound(期限) | 目標には期限を設定し、だれがなにをいつまでに行うのかを明確化する |
抽象的な目標や非現実的な目標を設定しても、営業成績はなかなか上がりません。営業目標を設定するときは、SMARTの法則を満たすよう意識しましょう。
営業目標を達成するための2つのコツ
営業目標をただ設定するだけでは、営業課題の解決にはつながりません。営業目標を達成するためには、まず「営業目標から逆算し、日々のタスクを具体化する」ことを意識しましょう。また、営業目標の達成を後押しするのに役立つのが「ナレッジ共有システム」です。ナレッジ共有システムを導入し、営業の成功法則を横展開することで、営業社員のスキルを底上げできます。
営業目標から逆算し、日々のタスクを具体化する
営業目標を達成するには、営業目標から逆算してタスクを細分化し、1日単位で行動目標を決めることが大切です。たとえば、1ヶ月の売上目標が200万円の場合、次のような順序でタスクを細分化していきます。
- 200万円の売上目標を達成するには、5件の契約成立が必要になる
- 契約率が20%程度のため、契約5件の成立には25件の商談が必要になる
- アポイント率が5%程度のため、商談25件のアポイントメントには500件のテレアポが必要になる
上記の例の場合、1ヶ月の平均稼働日数が20日とすると、1日につき25件のアポイントメント獲得がノルマになります。このように営業目標から逆算し、日々のタスクを具体化することで、目標達成のためにしなければならないことが具体的に見えてきます。
ナレッジ共有システムを導入し、営業の成功法則を横展開する
営業目標を達成するために欠かせないのが「ナレッジ共有システム」です。ナレッジ共有システムとは、社内ナレッジを一箇所に集約し、社員が閲覧できるようにしたサービスを指します。ナレッジ共有システムを導入すれば、営業活動の勝ちパターンや、過去の成功事例、優秀な営業社員のノウハウなどを蓄積し、営業部門全体に水平展開できます。営業チームのスキルを底上げできるため、優秀な営業社員が育たず、営業目標がなかなか達成できない場合は、ナレッジ共有システムの導入を検討してみましょう。
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【まとめ】
結果を出す営業社員を増やすには、正しい営業目標の設定が必要!
結果を出す営業社員を増やすには、営業目標を適切に設定する必要があります。「売上」、「成約率」、「販売本数」、「新規顧客の獲得」、「既存顧客の関係維持」など、自社の営業課題に合わせ、具体的に営業目標を設定しましょう。また、適度な難易度のストレッチゴールを設定することで、営業社員のやる気やモチベーションを高めることにもつながります。営業目標を設定する重要性を確認し、既存の営業目標が機能しているかどうか再検討してみましょう。