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ナレッジマネジメントはなぜ重要?
理由をわかりやすく解説

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ナレッジマネジメント(Knowledge Management)は、1990年代に日本の経営学者が提唱したとされる経営手法です。令和に入ってからも、少子高齢化の進行や働き方の多様化、市場における競争戦略の変化などの要因から、多くの企業が ナレッジマネジメントを取り入れています。ナレッジマネジメントを行わない場合、業務の属人化が進んだり、成功事例や失敗事例を横展開しづらくなったりする恐れがあります。この記事では、企業の経営課題の解決につながるナレッジマネジメントの重要性や、ナレッジマネジメントを成功させるためのポイントをわかりやすく解説します。

ナレッジマネジメントが重要な理由


そもそも、なぜナレッジマネジメントが重要なのでしょうか。企業がナレッジマネジメントを取り入れる理由は2つあります。

  • 少子高齢化が進み、業務効率化が急務になったため
  • 雇用形態や働き方が多様化し、知識の共有が難しくなったため

少子高齢化が進み、業務効率化が急務になった

少子高齢化が進行し、労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は年々減少しています。総務省の統計によると、2021年の労働力人口は6,860万人で、前年より8万人の減少でした。[注1]
労働力人口は今後も減少傾向にあると予測されています。少ない人員で事業を継続していくためには、社員が持つ知見やノウハウを集積し、一人ひとりの生産性を高めていくことが大切です。ナレッジマネジメントの仕組みを導入すれば、有用なナレッジを横展開し、業務効率化や生産性の向上を実現できます。

[注1] 総務省:労働力調査(基本集計)2021年 平均結果の概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf

雇用形態や働き方が多様化し、知識の共有が難しくなった

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして、雇用形態や働き方が多様化したこともナレッジマネジメントの導入を後押ししています。とくに大きな変化としては、時間や場所を選ばずに働く「テレワーク」の普及です。総務省の統計によると、2021年3月時点のテレワークの導入率は38.4%に達しています。[注2]
社員が一人ひとり別の場所で働くテレワークでは、情報共有のあり方も大きく変わってきます。ナレッジマネジメントを取り入れ、テレワークに合わせて知識の共有方法を見直すことが大切です。

[注2] 総務省:令和3年版情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd123410.html

ナレッジマネジメントを行わないとどうなる?

ナレッジマネジメントを行わない場合、どのような弊害が生じるのでしょうか。まず、社員が退職したときにノウハウが失われ、業務の属人化が進行するリスクが挙げられます。また、ナレッジを共有する仕組みがない場合、成功事例や失敗事例を横展開することもできません。ベストプラクティスや過去の教訓を活かせず、組織力を強化する機会が失われます。ここでは、ナレッジマネジメントを行わない場合のリスクを2点挙げます。

社員が退職したときのノウハウが失われ、業務の属人化が進行する

ナレッジマネジメントを実践していない企業では、社員が退職した際にノウハウが失われ、業務の属人化が進行する恐れがあります。とくに業務を円滑に進めるためのノウハウは、日ごろからナレッジマネジメントを実践し、社内に広く共有することが大切です。もし担当者が退職したり、病気などで長期療養したりしても、社内ナレッジを蓄積していれば、代わりの担当者がスムーズに業務をこなすことができます。

成功事例や失敗事例を横展開しづらくなる

ナレッジマネジメントの仕組みがなければ、過去の成功事例や失敗事例を横展開しづらくなります。たとえば、営業社員の場合、優秀な成績を収めた社員の営業ノウハウやトークスクリプト、提案資料などを共有すれば、チームの営業力を底上げできます。また、建設業の場合、過去の事故や失敗事例を周知徹底することで、命にかかわるような労働災害を未然に防げます。過去の事例をベストプラクティスや教訓として活かすためにも、ナレッジマネジメントの仕組みづくりに取り組みましょう。

ナレッジマネジメントを成功させるためのポイント

ナレッジマネジメントを成功させるには、FAQ管理システムや社内Wikiなど、ナレッジマネジメントシステムを導入する必要があります。
「ヘルプデスク型(専門知識型)」、「ベストプラクティス型」、「業務プロセス型」、「経営資産・戦略策定型」の4種類のなかから、自社の経営課題に合ったツールを選びましょう。また、ナレッジマネジメントを社内に浸透させるには、「ナレッジワーカー」の力も必要です。ナレッジマネジメントを成功させるためのポイントを2つ紹介します。

自社に合ったナレッジマネジメントシステムを導入する

ナレッジマネジメントシステムは大きく分けて4種類あります。

ヘルプデスク型(専門知識型) 専門知識をデータベース化し、社員や顧客からの問い合わせに回答するためのツール
ベストプラクティス型 過去の成功事例や社員の成功体験を収集し、他の社員に横展開するためのツール
業務プロセス型 業務を円滑に進めるためのナレッジを集積し、業務効率化をサポートするツール
経営資産・戦略策定型 企業が保有するナレッジを経営資産として活かし、経営戦略の策定をサポートするツール

たとえば、ヘルプデスク型(専門知識型)のナレッジマネジメントツールの一例として、ナレッジをQ&A形式で共有できるFAQ管理システムが挙げられます。ナレッジマネジメントツールの種類によって、できることとできないことがあるため、自社の経営課題に合ったツールを選ぶことが大切です。

ナレッジマネジメントの目的を共有し、「ナレッジワーカー」を生み出す

ナレッジマネジメントを社内に浸透させるためには、「ナレッジワーカー」を生み出す必要があります。ナレッジワーカーとは日本語で「知識労働者」といい、ナレッジを積極的に発信したり、業務に活用したりする社員を指す言葉です。
ナレッジワーカーは、以下の2種類があります。

ナレッジコントリビューター 自分が持つナレッジを積極的に発信し、他の社員と共有しようとする人
ナレッジユーザー 共有されたナレッジを利用し、業務の生産性を高めようとする人

ナレッジワーカーを生み出すには、ナレッジマネジメントを導入する目的を説明し、プロジェクトの理解者を増やすことが大切です。とくにリーダーシップのある社員に働きかけ、ナレッジマネジメントを自ら実践する「ナレッジリーダー」となってもらうことで、ナレッジマネジメントの浸透を早められます。

【まとめ】

ナレッジマネジメントの重要性を知り、ベストプラクティスの横展開を

ナレッジマネジメントは1990年代に提唱された日本発の経営手法です。ナレッジマネジメントが再び注目を集めている理由は、企業を取り巻くビジネス環境の変化にあります。少子高齢化が進行し、人材確保がますます難しくなると予想されるなかで、事業継続のために業務効率化が必要不可欠になりました。また、テレワークやリモートワークの普及など、雇用形態や働き方が多様化した結果、社内ナレッジを共有する新しい仕組みづくりが急務となっています。ナレッジマネジメントを取り入れれば、業務の属人化を防止し、成功事例や失敗事例をすばやく横展開することが可能です。これからナレッジマネジメントを導入する場合は、FAQ管理システムや社内Wikiなど、自社に合った使いやすいツールを選びましょう。

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