社内の情報共有ができていないと、さまざまな弊害が生じます。たとえば、他の社員の進捗がわからないため、フォローやサポートができず、チームの団結力が失われる要因になります。なぜ社内の情報共有がうまくいかないのでしょうか。情報共有ができない原因を知り、対策を講じましょう。この記事では、社内の情報共有ができない原因や対策を紹介していきます。
目次
情報共有ができない原因
社内の情報共有がうまくいかない原因は2つあります。もっとも多いのが、アナログな方法で情報共有を行っており、デジタルツールの導入が進んでいないケースです。また、そもそも情報共有の重要性が社員に伝わっていないケースもあります。まずは社員が情報共有に積極的でない理由を知り、情報共有の習慣を根付かせることを目指しましょう。
情報共有の手段がアナログのまま
情報共有がうまくいかない場合は、情報共有の手段がアナログのままになっていないか確認しましょう。アナログな情報共有の例は以下の通りです。
- その日のスケジュールをホワイトボードに書き込んで共有している
- 社内のお知らせは回覧板を利用し、閲覧した日付の入力や押印を求めている
- 伝達事項がある場合は会議を開き、その都度口頭で情報共有を行っている
アナログな情報共有にもメリットはあるものの、「情報をタイムリーに伝達できない」、「水掛け論が発生しやすい」といったデメリットがあります。特に口頭でやりとりする場合は、認識の齟齬が生まれ、業務のミスや手戻りにつながるリスクがあります。アナログな方法で情報共有を行っている場合は、情報共有ツールを導入することで課題を解決できます。
共有すべき情報のイメージが伝わっていない
ただ情報共有ツールを導入するだけでは、情報共有のカルチャーが定着しません。社員が情報共有の重要性を理解し、積極的に情報を共有するような仕組みづくりが必要です。情報共有のカルチャーが定着しない要因のひとつとして、「共有すべき情報のイメージが伝わっていない」といったケースが挙げられます。共有すべき情報と共有すべきではない情報を明確に区別することで、社員が情報を共有しやすくなります。たとえば、社員が積極的に共有すべき情報は以下の通りです。
- タスクの期限やスケジュールに関する情報
- 担当している案件の進捗状況やステータス
- 顧客の情報や連絡先
- 苦情やクレームの内容
- 業務効率化につながるナレッジ
一方、個人のプライバシーに関する情報や、企業秘密に属する情報などのように、積極的に共有すべきでない情報もあります。個人情報や機密情報の漏えいを防ぐため、情報共有のルールづくりも進めましょう。
情報共有ができないことにより発生する問題
社内の情報共有ができていないと、具体的にどのような問題が発生するのでしょうか。情報共有がうまくいかない弊害は3つあります。
- 生産性が失われる
- ベストプラクティスを学ぶ機会が失われる
- チームの団結力が失われる
情報共有が不足している場合、業務のミスや手戻りが増加し、生産性を悪化させる原因になります。また、チームとしての団結力が失われるのも、情報共有がうまくいかない弊害のひとつです。
生産性が失われる
情報共有を円滑に行う仕組みがなければ、業務遂行に必要な情報の伝達が遅れ、ミスや手戻り、二度手間が増加します。業務でわからないことがあった場合も、すぐに疑問点を解決することができません。その間、業務の進捗がストップするため、業務効率の悪化につながります。また、情報共有が不足している場合、業務の属人化が起きやすくなります。業務の属人化とは、仕事の進め方を特定の社員しか知らず、代わりが利かない状態を指す言葉です。業務の属人化が進むと、退職や異動などで特定の社員がいなくなったときに業務品質を保つのが難しくなります。情報共有ができないことにより、業務効率や生産性の低下を招く可能性があることを知っておきましょう。
ベストプラクティスを学ぶ機会が失われる
社内の情報共有ができていない場合、ベストプラクティスを学ぶ機会も失われます。ベストプラクティスは「成功法則」とも呼ばれ、業務を進めるための効率的な方法やノウハウを指す言葉です。たとえば、営業部門の場合は、優秀な成績を残した社員の営業ノウハウやトークスクリプトなどがベストプラクティスに当たります。情報共有の仕組みがないと、ベストプラクティスを水平展開できず、社員が成長する機会を逃してしまいます。
チームの団結力が失われる
情報共有の手段がない場合は、チームの団結力も低下します。たとえば、情報共有ができていないと、チームメンバーのタスクの進捗状況がわかりません。「タスク量や業務負担は適切か」、「なにか困りごとを抱えていないか」なども判断できず、チームメンバーをフォローしづらくなります。また、チームメンバーがトラブルに巻き込まれた際も、すぐに対応することができません。情報共有の仕組みがないと、チーム単位での協力体制を構築できず、企業組織の弱体化につながります。
情報共有ができないときの対策
情報共有ができないときの対策は2つあります。
- 情報共有をスケジュール化する
- 使いやすいシステムを導入する
情報共有がうまくいかない場合は、情報共有のスケジュール化や、情報共有しやすい環境づくりなど、ひとつずつ課題を解決していきましょう。また、情報共有ツールを導入する場合は、なるべく使いやすいシステムを選ぶことが大切です。
情報共有をスケジュール化する
情報共有ツールを導入しただけでは、情報共有のカルチャーは定着しません。社内の情報共有を促進するには、日々のスケジュールに情報共有の時間を設け、習慣化することが大切です。定期的に情報共有の機会を用意することで、情報共有しやすい環境づくりにつながるだけでなく、業務連絡の抜け漏れを防止する効果が期待できます。情報共有をスケジュール化する方法は以下の通りです。情報ポータルサイトの構築や、パワーランチの導入など、自社の社風に合った施策を取り入れましょう。
- 伝達事項を掲載するポータルサイトを構築し、毎朝チェックすることを習慣づける
- 一日のスケジュールの終わりに日報を書く時間(15分程度)を設ける
- 昼食とミーティングを兼ねたパワーランチを取り入れ、毎週決まった曜日に開催する
使いやすいシステムを導入する
情報共有ツールの中には、豊富な機能が揃った高品質なシステムもあります。たとえば、メールやチャットのようなコミュニケーション手段だけでなく、表計算やデータベースなどの機能が付属しているツールです。しかし、社内の情報共有を促進する場合は、操作が簡単なシステムの方が普及しやすく、社員に受け入れられる可能性が高くなります。システムに求める機能をあらかじめ絞り込み、操作性がシンプルで使いやすいシステムを選びましょう。ベストプラクティスの共有や業務効率化のナレッジを共有する時にはナレッジ共有システムの導入もおすすめです。
【まとめ】
社内の情報共有ができない原因を明確にして適切な解決策を
この記事では、社内の情報共有がうまくいかない原因や対策について解説しました。情報共有がうまくいかない場合、まず情報共有の手段を見直しましょう。回覧板やホワイトボード、FAXのやりとりなど、アナログな手段で情報共有を行っている場合は、ナレッジ共有システムなどの情報共有に特化したデジタルツールの導入を検討しましょう。また、情報共有を習慣化する仕組みづくりも大切です。たとえば、業務内容を報告する日報の義務化や、昼食とミーティングを兼ねたパワーランチの導入により、情報共有をスケジュールに組み込むことが可能です。