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建設業におけるナレッジマネジメントの重要性と導入ポイント

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建設業界は、建設技能労働者の高齢化が進み、若手人材への技術継承に大きな課題を抱えています。また、2021年は建設業の労働災害による死亡者数が4年ぶりに増加し、業種別で最多となる288人を記録しました。[注1]
こうした建設業界の課題解決につながるとされているのが、1990年代に注目を集めたナレッジマネジメント(Knowledge Management)と呼ばれる経営手法です。建設業界でも、現場ノウハウの共有を目的として、ナレッジマネジメントが徐々に普及しつつあります。この記事では、建設業におけるナレッジマネジメントの重要性や、導入するときのポイントを解説します。

[注1] 日本工業経済新聞社:【労災統計】2021年は建設業の死亡者数が4年ぶりに増加
https://www.nikoukei.co.jp/news/detail/460769

建設業におけるナレッジマネジメントの重要性


なぜ建設業界でナレッジマネジメントが重要とされているのでしょうか。建設業界では、作業現場の安全を守るための現場ノウハウや、失敗事例、災害事例などの共有を目的として、早くからナレッジマネジメントの導入が進んできました。近年では、建設技能労働者が高齢化し、若手人材の育成が急務となったことから、技術継承の手段としてナレッジマネジメントを活用する企業も存在します。ここでは、建設業においてナレッジマネジメントが重要な理由を3つ紹介します。

若手人材への技術継承を加速させる

建設業界の重要な課題の一つが、若手世代への技術継承です。建設技能労働者数を年齢別に見ると、29歳以下の年齢層が全体の11.1%(36.5万人)にとどまるのに対し、60歳以上の高齢者の割合は25.2%(82.8万人)に達しています。[注2]
将来的には、60歳以上の高齢者が大量に離職し、建設業界の人手不足がよりいっそう深刻化することが予測されています。そこで必要なのがナレッジマネジメントです。ナレッジマネジメントは、現場の勘やコツ、ノウハウなどの「暗黙知」を、誰でも理解できる「形式知」として共有する取り組みを意味します。ナレッジマネジメントを導入すれば、将来的に大量離職が見込まれるベテラン人材のナレッジを蓄積し、若手世代に継承することが可能です。

[注2] 国土交通省:建設業の働き方改革について
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001314888.pdf

作業現場の事故を防止する

建設業界では、作業現場の事故を防止し、現場労働者の安全を守るための手段としてナレッジマネジメントが活用されてきました。たとえば、現場で起きたミスや失敗、労働災害の事例をナレッジとして共有すれば、同じ事故を未然に防ぐことができます。冒頭で述べた通り、建設業界は労働災害の死亡者数がもっとも多い業界です。作業現場の事故を防止するため、ナレッジマネジメントの導入を検討しましょう。

建設業にナレッジマネジメントを導入するときのポイント

建設業にナレッジマネジメントを導入するときのポイントは2つあります。ナレッジマネジメントといっても、ベストプラクティス共有型、専門知ネット型、知的資本型、顧客知共有型など、さまざまな手法があります。ナレッジマネジメントを導入する目的を明確化し、自社に合った手法を選ぶことが大切です。また、ナレッジマネジメントのためのITツールを導入するときも、自社の導入目的に合致した製品を選びましょう。

建設業に合った手法を選ぶ

ナレッジマネジメントの手法は大きく分けて4種類あります。

ベストプラクティス共有型 成功事例(ベストプラクティス)の共有をメインとして、若手世代への技術継承を目指す手法
専門知ネット型 高度な知識を持った専門家や技術者をネットワークで結びつけ、いつでも知恵を借りられる仕組みをつくる手法
知的資本型 有用な知見やノウハウを知的資本(特許など)として管理するための手法
顧客知共有型 社外の顧客をネットワークで結び、お互いの持つナレッジの共有を目指す手法

建設業界に適しているのは、若手世代への技術継承を目指すベストプラクティス共有型や、専門家や技術者のノウハウをネットワーク化する専門知ネット型の手法です。

自社に合ったシステムを選ぶ

ナレッジマネジメントを効率化するには、FAQシステムや社内Wiki、エンタープライズサーチなど、ナレッジマネジメントシステムの導入が必要です。ナレッジマネジメントシステムを導入するときは、自社に合ったシステムを選びましょう。前述の通り、建設業界のナレッジマネジメントは、現場で得られるノウハウや、失敗事例・災害事例などの共有がメインとなります。ナレッジマネジメントシステムの選定に迷う場合は、建設業界の導入実績が豊富かどうかをチェックしましょう。

建設業にナレッジマネジメントを導入するときの注意点

建設業にナレッジマネジメントシステムを導入するときの注意点は3つあります。

  • モバイル端末で利用できるツールを選ぶ
  • ナレッジ共有の手間をなるべく減らす
  • 現場の意見を聞き、システムの操作感を確認してもらう

建設業界では、他の業界よりも現場仕事の割合が多いため、モバイル端末で利用できるツールを選びましょう。また、高齢化が進む建設業界では、シニア層の労働者が多く、ITリテラシーに不安があります。ナレッジマネジメントシステムを導入するときは、なるべく現場の意見を聞き、シンプルで使いやすい製品を導入しましょう。

モバイル端末で利用できるツールを選ぶ

ナレッジマネジメントシステムを導入するときは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応した製品を選びましょう。建設業界は現場仕事や直行直帰の仕事が多いため、パソコンからしか使えないツールは向いていません。モバイル端末に対応したナレッジマネジメントシステムなら、空き時間や移動時間を有効活用し、現場ノウハウを共有できます。

ナレッジ共有の手間をなるべく減らす

建設業界は急速に高齢化が進んでおり、60歳以上の高齢者が全体の25.2%(82.8万人)を占めています。[注2]
そのため、ナレッジマネジメントシステムを導入するにあたって、高齢者でも作業しやすいようにナレッジ共有の手間をなるべく減らす工夫が必要です。たとえば、以下のように現場の労働者に配慮した仕組みを用意しましょう。

  • 見本付きのフォーマットを用意し、誰でも簡単に現場ナレッジを共有できるようにする
  • ナレッジ共有のテンプレートを用意し、空欄を埋めるだけで作業が完了できるようにする

現場の意見を聞き、システムの操作感を確認してもらう

前述の通り、建設業界は60歳以上の高齢者の割合が多いため、ITリテラシーが低い社員も少なくありません。ナレッジマネジメントシステムを導入する際は、経営層や管理者だけでなく、なるべく現場の意見もヒアリングしましょう。シニア層でも問題なく利用できるように、使い方がシンプルなシステムを選ぶことも大切です。

【まとめ】

建設業におけるナレッジマネジメントの重要性を知り、ナレッジマネジメントシステムを導入しよう

建設業界は、建設技能労働者の高齢化や、労働災害による死亡者数の増加など、さまざまな課題を抱えています。こうした課題を解決するには、現場の知識やノウハウを共有し、次の世代に継承するナレッジマネジメントの導入が必要です。ナレッジマネジメントを導入するメリットは、「若手人材への技術継承を加速させる」、「業務の属人化を防止できる」、「作業現場の事故を防止する」の3点です。建設業におけるナレッジマネジメントの重要性を知り、現場ノウハウをすくい上げるナレッジマネジメントシステムの導入を検討しましょう。

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