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銀行の顧客満足度を高める4つの方法を詳しく解説

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金融庁が2017年3月に「顧客本位の業務運営に関する原則」を発表し、銀行や金融機関に対して顧客目線でのサービス提供を呼びかけました。銀行業務の顧客満足度を高めれば、業績アップにつながるだけでなく、クレーム対応の減少や業務効率化の実現といった効果も期待できます。銀行の顧客満足度を高めるには、どのような施策が効果的なのでしょうか。この記事では、銀行業務の顧客満足度の重要性や、顧客満足度を高める方法をわかりやすく解説します。

銀行における顧客満足度の重要性

そもそも、なぜ顧客満足度を高める必要があるのでしょうか。銀行業務の顧客満足度を高めるメリットは3つあります。

  • 利用者の信頼を得られる
  • 業績アップにつながる
  • クレーム対応が減り業務効率化につながる

顧客満足度の高いサービスを提供し、お客さまのニーズに応えることで、利用者の信頼を得られます。利用者が増加すれば、売上や収益の増加につながります。また、苦情やクレームの件数が減少するため、業務効率化を実現することもできます。

利用者の信頼を得られる

銀行サービスの顧客満足度を高めれば、利用者の信頼獲得につながります。たとえば、株式会社京都銀行はお客さまの声(VOC)を収集し、利用者の信頼を得るためのさまざまな取り組みを行っています。[注1]
「窓口で手続きする際の負担を減らしてほしい」という声に応えて設置された「新営業店システム」は、伝票記入レス、印鑑レスで手続きが可能な対話型のシステムです。また、「ICキャッシュカードを申込みしてから、カードが自宅に届くまで約2週間の日数を要するが、もっと早く受け取りたい」という声に応え、ICキャッシュカードをその場で発行する「ICキャッシュカードの店頭即時発行」サービスも提供しています。京都銀行の事例のように金融商品やサービスを充実させ、顧客満足度を高めることで、利用者の信頼を獲得できます。

[注1]株式会社京都銀行の事例
https://www.kyotobank.co.jp/about/manzoku/kaizen.html

業績アップにつながる

利用者の信頼を獲得すれば、売上や収益の増加にもつながります。カスタマーサービスを充実させた結果、大幅な業績アップを実現できたのがソニー銀行株式会社の事例です。[注2]
ソニー銀行は2020年の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オンライン相談の拡充や、インターネットでやりとり可能な専任のローンアドバイザーの設置など、顧客満足度を高めるための施策を行いました。その結果、ソニー銀行の住宅ローン残高は昨対比20%を超過し、過去最高の住宅ローン年間増加額を記録しています。マイナス金利政策が継続され、多くの銀行が売上や収益に苦しむなかで、ソニー銀行は顧客満足度をベースに業績アップを実現しました。ソニー銀行の事例のように、金融サービスの顧客満足度を高めれば、売上や収益の改善につなげることも可能です。

[注2]ソニー銀行株式会社の事例
https://cs.oricon.co.jp/michitari/article/322/

クレーム対応が減り業務効率化につながる

窓口対応や問い合わせ対応など、カスタマーサービスの品質を高めれば、苦情やクレーム対応の減少が期待できます。その結果、従業員の業務負担が軽減され、金融商品の販売や投資信託、コンサルティング業務など、より収益性の高い業務に注力することが可能です。

銀行で顧客満足度を高める方法


それでは、具体的にどうやって銀行業務の顧客満足度を高めればよいのでしょうか。銀行の顧客満足度を高める方法は4つあります。

  • わかりやすい説明を意識する
  • 金融商品を販売した後のフォローアップを充実させる
  • ホームページにFAQやチャットボットを設置する
  • お客さまの声(VOC)を収集し、サービスを改善する

それぞれの注意点やポイントを見ていきます。

わかりやすい説明を意識する

銀行における顧客対応の基本は、「わかりやすい説明を意識すること」です。金融庁が定めた「顧客本位の業務運営に関する原則」でも、「重要な情報の分かりやすい提供」を金融事業者に求めています。[注3]

原則5. 金融事業者は、顧客との情報の非対称性があることを踏まえ、上記原則4に示された事項のほか、金融商品・サービスの販売・推奨等に係る重要な情報を顧客が理解できるよう分かりやすく提供すべきである。

特にリスク性金融商品を対面で販売するときは、商品販売時の確認や説明が充実しているほど、顧客満足度が高まることがわかっています。[注4]
金融商品を販売する際は、丁寧な商品説明や、顧客の人生設計を踏まえた具体的なアドバイスを意識しましょう。

[注3] 金融庁:顧客本位の業務運営に関する原則
https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20210115-1/02.pdf
[注4] 大和総研:顧客満足度を高める金融サービスとは
https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/asset/20210811_022448.pdf

金融商品を販売した後のフォローアップを充実させる

金融サービスの顧客満足度に影響を与えるもう一つの要素が、商品販売後のフォローアップです。金融庁の「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」によると、商品販売後のフォローアップを受けた利用者の割合は、「ネット銀行・証券」で5.2%、「対面銀行・証券」で33.5%です。「ネット銀行・証券」では統計的に有意な結果が得られなかったものの、「対面銀行・証券」では商品販売後のフォローアップが利用者の満足度を押し上げていることがわかりました。[注4]
金融サービスの顧客満足度を高めたい場合は、商品販売時の顧客対応だけでなく、商品販売後のフォローアップも充実させましょう。

ホームページにFAQを設置する

ここまで、金融商品を販売するときの顧客満足度を向上させる方法を解説しました。顧客からの問い合わせに対しての満足度を高めたい場合は、ホームページにFAQやチャットボットを設置しましょう。「FAQ(Frequently Asked Questions)」とは、問い合わせ頻度の高い「よくある質問」を掲載したWebページのことです。FAQページに検索ボックスを設置すれば、顧客が知りたい情報を検索し、銀行業務に関する疑問や悩みを自分で解決することができます。電話やメール、Webフォームなどの問い合わせ行動を起こさずスピーディーに問題を解決できるため、顧客満足度の向上につながります。

お客さまの声(VOC)を収集し、サービスを改善する

お客さまの声(VOC)を収集し、カスタマーサービスの改善への糸口を探しましょう。たとえば、株式会社京都銀行は「苦情を宝の山に」をスローガンに掲げ、本部や取引店だけでなく、全店舗に「お客さまの声ハガキ」を設置しています。お客様サービス室が全てのチャネルからの要望や意見、苦情を収集し、分析することで、利用者の生の声をサービスに還元する仕組みをつくっています。また、コールセンターシステムなどを活用して、コールセンターやカスタマーサポートセンターの問い合わせ履歴を収集し、サービスの改善点を探すことも可能です。

【まとめ】

銀行(金融機関)の顧客満足度を改善し、業績アップや業務効率化を実現しよう

銀行(金融機関)の顧客満足度を改善すれば、「利用者の信頼を得られる」、「業績アップにつながる」、「苦情対応が減り業務効率化につながる」の3つのメリットが得られます。マイナス金利政策が継続され、多くの銀行が売上や収益の確保に苦しむ一方で、ソニー銀行株式会社のように顧客視点のサービスを起点として業績アップを実現した事例も存在します。銀行の顧客満足度を高めたい場合は、金融商品を販売するときの確認・説明や、商品販売後のフォローアップの充実に取り組みましょう。また、ホームページにFAQやチャットボットを設置すれば、顧客が自分自身で疑問や悩みを解決できるため、顧客満足度の向上につながります。

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