メルマガ(メールマガジン)の運用でよくある誤解が、反響を高めるためには、「配信数を増やせばいい」と考えているケースです。しかし、配信リストを集め、配信数を増やしたものの、「配信数に比例して反響が伸びない」という企業が少なくありません。読者の反響がなかなか伸びない場合は、メルマガの「開封率」をチェックしましょう。メルマガの開封率を知り、開封率を高める工夫をすることで、BtoB、BtoCを問わずメルマガの反響を高めることができます。この記事では、メルマガの開封率の計算方法や、業種ごとの開封率の目安、開封率を改善するためのコツをわかりやすく解説します。
目次
メルマガ開封率の計算方法は?無料のアクセス解析ツールでも計算可能
メルマガの開封率は、メール配信システムやMAツール(マーケティングオートメーション)の導入により、自動で計算が可能です。しかし、こうしたツールを導入していない場合でも、メルマガの開封率は無料のアクセス解析ツールを使って計算が可能です。
メルマガの開封率とは?メルマガが開封された割合のこと
そもそもメルマガの開封率とは、配信したメルマガが読者に開封された割合を指します。どれだけメルマガの配信数を増やしても、読者にメルマガを開封してもらわなければ開封率は上がらず、結果として、商品やサービスの販促、ブランドの認知拡大につながりません。そのため、メルマガ運用では開封率を定期的にモニタリングし、改善点を見つけていくことが大切です。
メルマガの開封率の計算方法
メルマガの開封率は、「メールが開封された件数÷配信に成功した件数(配信件数)×100」の計算式で求められます。メール配信システムやMAツールを導入していなくても、無料のアクセス解析ツールで簡単に計算できます。ただし、メルマガがHTML形式の場合とテキスト形式の場合で計算方法が変わってきます。
計算方法 | |
HTML形式 | メルマガの本文に画像やCTAボタンを埋め込み、表示回数をアクセス解析ツールで分析し、「メルマガが開封された件数」を求める |
テキスト形式 | メルマガ本文のバナーやリンクのクリック回数を集計し、「メルマガが開封された件数」とみなす |
アクセス解析ツールを使って開封率を求める場合、HTML形式のメルマガであることが前提です。ただし、テキスト形式のメルマガの場合でも、バナーやリンクのクリック回数を集計すれば、メルマガの反響を大まかに測定できます。この場合は「開封率」ではなく「クリック率」と呼ぶのが一般的です。なお、フィーチャーフォン向けのデコレーションメ―ルは、仕組み上開封率の計測ができません。
一般的なメルマガの開封率はどのくらい?業種別に目安を紹介
一般的なメルマガの開封率は、15%~25%といわれています。ただし、メルマガの開封率は業種ごとに異なるため、業種別の目安を知る必要があります。
Benchmark Emailによると、業種別の開封率は次の通りです。[注1]
業種 | 開封率の目安 |
教育(小中高) | 34.81% |
フィットネス | 28.13% |
観光・エンターテイメント | 24.61% |
ファイナンス | 22.41% |
建築・建設 | 22.09% |
医療 | 21.49% |
通信・テクノロジー | 20.62% |
保険 | 20.02% |
広告・マーケティング | 18.28% |
不動産 | 17.85% |
小売・消費サービス | 17.62% |
製造・物流 | 16.52% |
[注1] Benchmark Email:Benchmark Email ユーザー対象:業種別・地域別(国別)メール平均開封率・クリック率・エラー率レポート(2020年5月時点)
https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/
メルマガの開封率を上げる4つのコツ!BtoB、BtoC向けをそれぞれ紹介
メルマガの開封率を改善するコツは4つあります。BtoB、BtoC向けにそれぞれのコツを紹介していきます。
メルマガを配信するタイミングを見直す
まず、メルマガを配信する曜日や時間帯を見直しましょう。企業や法人が配信ターゲットのBtoBと、一般消費者が配信ターゲットのBtoCでは、それぞれメルマガの最適な配信タイミングが異なります。
曜日 | 時間帯 | |
BtoB | 月曜日から金曜日までの平日 | 営業時間がメイン 通勤時間の朝、昼休み前後の昼、就業前の夕方の3つの時間帯 |
BtoC | 金曜日の夜から週末にかけて | 日中の余暇時間 |
なかなか読者の反応が得られない場合は、配信する曜日や時間帯を変えるなど、ABテストを実施し、最適なタイミングを見つけてみましょう。
差出人名を工夫する
メルマガの差出人名や件名は、読者の第一印象を左右する重要な要素です。とくに差出人名は、BtoBとBtoCで推奨される書き方が異なります。
差出人名 | |
BtoB | ・担当者名+会社名 ・担当者名+商品名・サービス名 |
BtoC | ・会社名 ・商品名・サービス名 |
BtoBの場合、メルマガの差出人名に「担当者名」を入れることで、開封率が高まるといわれています。逆にBtoCの場合は、会社名もしくは商品名・サービス名のうち、アピールしたいものを差出人名に設定しましょう。
件名を短くまとめる
メルマガの開封率を改善したい場合、件名は短くまとめることが大切です。アピールしたい情報やキーワードをあれもこれもと詰め込むのではなく、読者に本当に伝えたい情報を整理し、簡潔に件名を決めましょう。なお、メルマガの件名の長さの目安は、PC向けかモバイル向けかでそれぞれ違います。
件名の文字数の目安 | |
PC | 15~25文字 |
モバイル | 10~15文字 |
モバイル端末でメルマガを閲覧する場合、端末の画面がPCよりも小さいため、件名が途中で省略されてしまう可能性があります。そのため、モバイル向けのメルマガは件名をPCよりも短くしたり、重要な情報を件名の前半に持ってくることが大切です。
デジタルギフトを使ったキャンペーンを実施する
メルマガ開封率の改善につながるのが、デジタルギフトサービスを利用したキャンペーンです。デジタルギフトサービスとは、コンビニやファストフード店で使える商品引換券や、オンライン決済に使えるギフト券を、メールやSMSなどのオンライン上でプレゼントできるサービスのことです。デジタルギフトサービスを導入し、メルマガでプレゼントキャンペーンや抽選キャンペーンを実施すれば、メルマガの開封率を短期間で大きく伸ばせます。実際にデジタルギフトサービスを用いたキャンペーンを実施したところ、メール開封率が1.4倍に増加した事例もあります。デジタルギフトキャンペーンは、BtoB、BtoCいずれの場合でも実施可能な施策です。メルマガの開封率が伸び悩んでいる方は、デジタルギフトサービスの導入を検討しましょう。
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メルマガ運用で重要なのがKPI設定!開封率の継続的な改善を
メルマガの反響を高めるには、定期的にメルマガの開封率をモニタリングし、改善点を探していく必要があります。そこで大切なのが、開封率のKPIを設定することです。業種別の目安を参考にしつつ、開封率の数値目標を設定しましょう。ただし、ターゲットとなる顧客の属性によって、開封率の数値目標も変わってきます。配信ターゲットを分類し、セグメントごとに開封率のKPI設定を行うことが大切です。
開封率の目安 | |
一般的な顧客 | 15%~25% |
優良顧客 | 20%~30% |
休眠状態の顧客や新規顧客 | 5%~10% |
【まとめ】
メルマガの開封率を計算し、継続的な改善に向けた工夫を
メールマガジンの反響を高めるために大切なのが、「開封率」と呼ばれる指標です。顧客のセグメントごとに開封率のKPIを設定し、継続的な改善を行いましょう。メルマガの開封率を改善するには、「配信タイミングを見直す」、「差出人名や件名を工夫する」、「デジタルギフトを使ったキャンペーンを実施する」といった方法があります。自社のターゲット層にあわせてメルマガの開封率向上を目指しましょう。