多くの企業サイトには、自社の製品やサービスに関するFAQが掲載されています。消費者が「知りたい」と思っている情報について有意義なFAQを掲載すれば、疑問や不安が解消され、購買意欲や顧客満足度向上につながる確率が高くなります。かつては手動で作成されるのが一般的だったFAQですが、近年はChatGPTを活用する企業も増えてきています。この記事では、ChatGPTを利用してFAQを作成するとどのようなメリット・デメリットがあるのか、詳しく解説します。
目次
ChatGPTを利用してFAQを作るメリット
ChatGPTを利用してFAQを作成すると、以下のようなメリットが期待できます。
ゼロから考えるより効率的
FAQを作成するには、まず消費者がどのような疑問や質問を抱くのか分析する必要があります。そのためには、自社に寄せられた問い合わせのデータ内容を調査したり、同業他社サイトのFAQを参考にしたりと、かなりの手間と時間がかかります。ChatGPTを利用すれば、消費者が抱きやすい疑問やよくある質問といった、Web上に存在する情報やデータをもとに、的確なFAQを導き出すことが可能です。もちろん、ChatGPTが提示したFAQの内容は別途精査する必要がありますが、たたき台として活用できるため、ゼロから考えるよりも時間や手間を省略できます。
Web上の一般的なFAQを参照できる
FAQの内容や形式を考える際は、既存のFAQを参考にするのがおすすめです。ただ、一つひとつのサイトのFAQを手動で検索、閲覧するのは手間がかかります。ChatGPTを利用すれば、Web上に存在する一般的なFAQを簡単に参照できるため、自社サイトのFAQを作成する際の参考にできます。
わかりやすく、簡潔な言葉で作成できる
FAQは不特定多数の人が閲覧するものなので、誰もがわかりやすい内容に仕上げる必要があります。一見簡単なように思えますが、質問に対して簡潔かつ要領を得た回答を作成するのは意外と難しく、日頃無意識に使っている専門用語を入れてしまったり、だらだらと長文になったりしがちです。ChatGPTは文章を要約するのが得意なので、FAQの下書き文を作成したり、既存のFAQをわかりやすくまとめたりするときに活躍します。
人件費の節約になる
前述のとおり、企業サイトのFAQを作成する作業には手間と時間がかかります。FAQ担当者はほかの業務と兼任しているケースが多いため、FAQの作成に時間と労力を割くと、1人あたりの労働生産性が減少してしまいます。ChatGPTをFAQ作成に利用すれば、FAQの考案やデータ収集などにかかる時間を節約できるため、業務効率化につながります。浮いた時間をほかの業務に当てれば労働生産性が向上し、人件費の節約に貢献します。
ChatGPTを利用してFAQを作るデメリット
ChatGPTを利用してFAQを作成するのはメリットが多い反面、いくつか気をつけなければならない点もあります。
自社に合っているとは限らない
ChatGPTは大量のテキストデータなどを取り込んで学習し、回答を提示する仕組みになっています。もとになるデータはWebなどから収集しますが、中には不正確な情報や不十分な情報が紛れ込んでいる可能性もあります。とくに専門性の高い商品を取り扱っている場合や、自社独自のサービスを提供している場合は、情報の精度が著しく低下するおそれがあります。すべての業種にChatGPTによるFAQ作成が役立つというわけではないことを念頭に置いておきましょう。
セキュリティの問題
ChatGPTはテキストデータを取り込んで学習する仕組みになっています。そのため、FAQ作成の過程で自社の情報を入力すると、機密情報や個人情報が漏えいしてしまう可能性があります。OpenAI側でも、ChatGPTを利用するユーザーに対して、漏えいして困るような機密情報や個人情報は入力しないようにと注意喚起しているため、FAQ作成にあたっては入力する情報を十分精査しましょう。
ChatGPTを利用してFAQを作る方法
ChatGPTを利用してFAQを作成する基本的な方法を紹介します。
1.ChatGPTを利用して問い合わせ履歴をもとにしたFAQを作る
これまで自社に寄せられた問い合わせ履歴をもとに、FAQを作成します。問い合わせ履歴からは、「消費者からどのような質問が寄せられたか」、「どのような回答をしたら満足してもらえたのか」などを分析することができます。ChatGPTを利用すれば、問い合わせの要点を自動で把握したり、それをもとにFAQを自動生成したりすることが可能です。
2.業界の一般的なFAQをリストアップする
ChatGPTを用いて、同じ業界でよくある質問をリストアップします。同業他社のFAQは、自社に寄せられる質問と重複する場合も多々ありますが、その分FAQの抜け漏れがないかチェックする基準として活用できます。ステップ1で作成したFAQと照らし合わせ、必要に応じて内容を追加したり、修正を加えたりすれば、より質の高いFAQを作成することが可能です。
3.ChatGPTを利用してFAQの質問文と回答文を自動生成する
ChatGPTを利用し、ステップ1や2でリストアップした質問文の要約や、それに対する回答文の作成を行います。ChatGPTは要約が得意なので、誰にでもわかりやすい簡潔な質問文、回答文を自動生成してくれます。新しいFAQを作成するときはもちろん、既存のFAQのリライトにも活用可能です。ChatGPTは必ずしも正しい回答を提示してくれるわけではないと説明しましたが、それはあくまでWeb上の情報に頼った場合の話です。ステップ1と2で作成した質問文と回答文をたたき台にして要約を行えば、誤った情報が入る心配はありません。
4.最終チェックを行う
ChatGPTで要約したFAQの最終チェックを行います。ChatGPTを用いたFAQ作成は、きちんとしたステップを踏めば精度の高いものに仕上がりますが、不適切な表現が混ざってしまうリスクはゼロではありません。FAQの質問文、回答文のリストアップや要約まではChatGPTに任せてもよいですが、最終チェックは必ず人の手で行うようにしましょう。
【まとめ】
ChatGPTを利用すれば、FAQ作成の手間と時間を大幅に効率化できる
ChatGPTは情報の収集や要約が得意なため、自社にこれまで寄せられた問い合わせ履歴をベースにした質問文・回答文の自動生成や要約に役立ちます。ゼロからFAQ案を検討したり、文章を作成したりする手間が省けるので、業務の大幅な効率化につながります。また、誰にでもわかりやすい簡潔な文に要約してくれるので、良質なFAQの作成に役立ちます。
ただ、ChatGPTはWeb上の情報をもとに回答を行う仕組みになっているため、専門的な知識や情報には疎いという欠点があります。ChatGPTにダイレクトに質問しても、誤った情報を提供されるおそれがあるため、FAQの情報元は自社の問い合わせ履歴や同業他社の一般的なFAQを選ぶことが大切です。また、ChatGPTに自社の機密情報や個人情報を入力すると情報漏えいのリスクがありますので、利用の際は十分な注意を払いましょう。より効率的かつ高度なFAQを作成する場合、FAQ管理システムを活用することをおすすめします。FAQ管理システムでFAQの作成・添削をChatGPTに代替させることができるため、さらなる業務効率化を図ることが可能になります。