新型コロナウイルスの流行により、「非接触・非対面」が重視される新しい日常(ニューノーマル)が生まれました。マーケティングにおいても、顧客と直接顔を合わせず、オンラインでのやりとりに切り替える企業や法人が増えています。今、コロナ禍で急増しているのが「デジタルギフトサービス」の利用です。デジタルギフトサービスとは、ギフト券や商品券などをデジタルコード化し、メールやSNSなどオンライン上で顧客にギフトを送付できるサービスです。デジタルギフトサービスを利用すれば、「非接触・非対面」という制約のなかでも、今まで通り顧客接点を生み出し、集客や販促につなげられます。この記事では、「デジタルギフト」が企業や法人に選ばれる理由や、デジタルギフトの市場規模と今後の見通しについて詳しく解説します。
目次
デジタルギフトが法人に選ばれる4つの理由
ここでは、デジタルギフトが法人に選ばれる理由を4つ紹介します。
梱包資材費や配送費、人件費がかからないため、コストカットを達成できる
そもそもデジタルギフトサービスとは、コンビニやファストフードチェーンの商品の引換券などを電子化し、オンラインで配信できるサービスです。デジタルギフトなら保管や梱包、郵送が必要ないため、ギフトの梱包資材費や在庫管理にかかる費用、配送作業などの人件費もかかりません。これまでは費用対効果の面から割に合わなかった少額のギフトも、梱包資材費や配送費、人件費を削減できるデジタルギフトサービスなら採用できます。従来の商品券や金券を郵送する方法と比較して、大幅なコストカットを達成できるのもデジタルギフトが選ばれる理由です。
業務効率化を実現し、キャンペーンのリードタイムを短縮できる
デジタルギフトのメリットとして、配信の際の作業が簡単で手間がかからない点も挙げられます。一般的なデジタルギフトサービスなら、あらかじめギフトの送信リストを登録するだけで、指定のギフトをメールやSNS、アプリ上で簡単に配信できます。デジタルギフトの導入により、事務作業全般を効率化し、キャンペーン実施から完了までのリードタイムを短縮できます。
顧客の好みを知り、次につながるマーケティング戦略を打ち出せる
デジタルギフトサービスの特徴として、コンビニやファストフードチェーン、カフェチェーンなどのさまざまなギフトのなかから、顧客が自分で好きなものを選べるという点があります。また、デジタルギフトサービスなら効果測定も簡単です。デジタルギフトサービスの分析機能を活用すれば、「キャンペーンにどれだけの効果があったか」、「どの顧客層にどの商品が多く選ばれたか」を分析できます。顧客の嗜好を可視化できるため、次回のキャンペーンの改善につなげることが可能です。また、既存顧客に向けたキャンペーンを実施し、定期的にギフトを贈ることで、契約更新や紹介にもつながります。
従業員エンゲージメントを強化できる
企業や法人がデジタルギフトサービスを採用する目的は、対外的なマーケティングだけではありません。近年は、従業員の福利厚生の一環として、デジタルギフトサービスを導入する法人も増えています。会社からギフトを贈ることで従業員のモチベーションアップに役立てることができます。たとえば、テレワークやリモートワークを導入している企業の場合、「新型コロナウイルスの影響による在宅手当としてデジタルギフトを配布し、リフレッシュしてもらう」、「福利厚生のひとつとして従業員にデジタルギフトを配布し、会社への満足度をアップする」といった使い方が可能です。従業員の満足度を高め、社内のエンゲージメントを強化する目的にもデジタルギフトサービスが役立ちます。
デジタルギフトの市場規模は?6年間で約50倍に成長
デジタルギフト市場は急成長をつづけており、2012年から6年間で市場規模が約50倍に成長しました。総務省の「平成26年版情報通信白書」によると、2012年の国内のソーシャルギフト(デジタルギフト)市場規模は約22億円。[注1]
矢野経済研究所の調べによると、プリペイドカードやギフトカードなどをのぞくeギフト(デジタルギフト)の発行金額は、2018年に約50倍の1,167億円に達し、2023年には2,492億円まで拡大すると予測されています。[注2]
その後のコロナ禍の影響を受け、「非接触・非対面」の新しい日常(ニューノーマル)が生まれたことを考慮すると、企業や法人のマーケティング施策にとって、デジタルギフトはますます必要不可欠なものになりつつあります。
[注1] 総務省:平成26年版情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/pdf/n4100000.pdf
[注2] 矢野経済研究所:商品券・ギフト券/eギフト市場に関する調査を実施(2019年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2175
デジタルギフトを導入する際の3つの注意点
デジタルギフトを導入する際に注意したいポイントは3つあります。
顧客がスマートフォンやパソコンを持っていることが前提
デジタルギフトを受け取るためには、顧客がスマートフォンやパソコンなどの情報機器を持っていることが前提です。また、デジタルギフトを店頭で交換する際も、QRコードなどのギフトコードをスマートフォンの画面に表示させ、レジカウンターで提示する必要があります。総務省の「令和3年版情報通信白書」によると、モバイル端末を所有している世帯は全体の96.8%。そのうちスマートフォンの保有率は86.8%です。[注3]
スマートフォンや携帯電話が広く普及したとはいえ、顧客によっては利用できない場合があることを知っておきましょう。
[注3] 総務省:令和3年版情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd242110.html
シニア層にとって使いづらさを感じるケースがある
シニア層の顧客はITリテラシーが低い傾向にあり、スマートフォンやパソコンに不慣れな方も少なくありません。シニア層の顧客にとって、デジタルギフトは使いづらさを感じたり、他のインセンティブよりも訴求率が低かったりするケースがある点に注意が必要です。シニア層がとくにつまずきやすいのが、デジタルギフトの使い方や受け取り方です。あらかじめデジタルギフトの使い方や受け取り方を図示し、わかりやすくイラストで説明するなど、シニア層のスムーズな利用に向けて、事前に説明を行っておくと安心です。
デジタルギフトには有効期限が存在する
金券や商品券と同様、デジタルギフトにも「有効期限」が存在します。有効期限が過ぎたデジタルギフトについては、原則として利用や、払い戻しを行うことができません。デジタルギフトを有効期限までに使ってもらえるよう、利用者向けの注意喚起を行いましょう。可能であれば、デジタルギフトを配布するタイミングと有効期限が迫ったタイミングの2回に分けてリマインドを実施することで、顧客に気づいてもらうことができ、有効期限を忘れづらくなるため安心です。
【まとめ】
デジタルギフト市場は急成長中!法人だからこそ「デジタルギフト」の導入を
デジタルギフト市場は右肩上がりに成長しており、2018年度の市場規模は約1,167億円に達しています。新型コロナウイルスの影響を受け、新しい日常(ニューノーマル)が始まってからは、マーケティングにおいてもますますデジタルギフトサービスの利用が増加しました。デジタルギフトが法人に選ばれるのは、SNSキャンペーンからWeb集客まで幅広く活用でき、ギフトの送付にかかる時間やコストを抑えられ、キャンペーンのリードタイムを短縮できるためです。また、デジタルギフトサービスを導入すれば、ギフトの配信履歴を元に顧客の嗜好を可視化したり、社内向けの福利厚生として利用することも可能です。ウィズコロナ時代だからこそ、「非接触・非対面」でやりとり可能なデジタルギフトの導入を検討しましょう。