Webマーケティングでは、横文字や英語などの聞き慣れない専門用語が頻出します。Web担当者はもちろん、Webマーケティングの仕事に関わる方は、Webマーケティングの基本用語を学び、会議やクライアントとの打合せの中で、会話についていけなかったり、間違った使い方をして恥ずかしい思いをしないよう、正しい使い方を覚えておくことが大切です。この記事では、Webマーケティングと関わりが深い基本用語や、Webマーケティングに使われる指標、SEO対策関連の用語を紹介します。
Webマーケティングに関する基本用語
Webマーケティングとは、Webを中心に集客を行い、商品やサービスの販促活動やブランディングを行うマーケティングのことです。今や私たちの生活に必要不可欠となっているインターネットを通して行うWebマーケティングは、とても重要な役割を持ちます。まずはWebマーケティングでおさえておくべきキーワード5つについて紹介します。
ユーザーが最初に訪問する「LP(ランディングページ)」
LP(ランディングページ)とは、ユーザーが最初に訪問するWebページのことで、他のWebページへの誘導や、商品やサービスの訴求といった役割を果たします。狭義の意味では、Web広告をクリックした先に表示される、集客用の縦長のWebページのことを指します。一般的なLPの目的としては以下のような内容が挙げられ、LPを作成する際は、離脱を防いだり、コンバージョンを高めるためのさまざまな工夫が必要です。
- 商品やサービスの販売・申し込みを増やす
- 資料請求や問い合わせを増やす
- イベントやセミナーへの集客を増やす
LPを最適化し、集客効果や販促効果を高めることをLPO(Landing Page Optimization)といいます。LPの効果測定の手段として、複数パターンの効果を比較する「A/Bテスト」が採用されることが一般的です。
検索キーワードに連動する「リスティング広告」
リスティング広告とは、ユーザーの検索キーワード(検索クエリ)に連動するWeb広告です。リスティング広告のうち、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面に表示されるものを「検索連動型広告」、Webサイトの広告枠に表示されるものを「ディスプレイ広告(バナー広告)」と呼びます。リスティング広告の特長は、商品やサービスとの関わりが深い特定のキーワードで検索したユーザーに対して、その結果画面で広告を表示できることです。何かしらの目的をもった顕在層ユーザーにアプローチできるため、コンバージョンに結びつきやすいといわれています。リスティング広告の広告費用は従量課金制が一般的で、広告のクリック数が影響します。
ユーザー流入経路のひとつである「オーガニック検索(自然検索)」
オーガニック検索(自然検索)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面から広告枠を除いた通常の検索結果部分のことで、Webサイトにユーザーが流入する際の経路のひとつです。オーガニック検索で表示される順番は、各検索エンジンのアルゴリズムによって決まります。上記のリスティング広告などとは異なり、広告費を使う必要がないため、オーガニック検索からの流入数増加や上位表示をすることで、ブランディング効果や広告費削減が期待できます。
検索エンジン最適化「SEO(Search Engine Optimization)」
SEO(Search Engine Optimization)は、日本語にすると「検索エンジン最適化」といい、自社のWebサイトをGoogleやYahoo!などの検索結果で上位表示させるための対策をSEO対策といいます。Webサイトの成果を向上させるために必要なSEO対策には、さまざまな種類があり、広告費がかからない分ある程度の知識や時間が必要となります。
ユーザーが商品購入に至るプロセスを可視化する「カスタマージャーニー」
カスタマージャーニーとは、ユーザーが自社の商品やサービスと接触し、関心を持ち、購入に至るまでのプロセスを可視化し、集客や販促活動を改善するためのフレームワークです。カスタマージャーニーを行動や心理面を時系列にステップ化し、表などの形式で表現したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。さまざまなタッチポイントにおけるユーザーへの理解を深めることができるため、Webマーケティングに欠かせません。
Webマーケティングに関する指標一覧
Webマーケティングは、「どの広告からどのくらい集客できたか?」「どのページがどのくらい見られたか?」といったデータの取得ができるのも特徴のひとつです。Webマーケティングを成功させるためには、LPやリスティング広告などの効果を数字で表し、客観的に分析することが大切です。Webマーケティングの効果測定や、問題点の分析に使われる代表的な指標が以下の3つです。
「PV(ページビュー)」はWebページが表示された回数
PV(ページビュー)とは、ユーザーがWebページにアクセスし、閲覧された回数を表す指標です。Webサイトにおける全体のPV数だけでなく、各ページごとのPV数を意識することも重要です。ただし、PVはページが表示された回数を表す指標のため、同一ユーザーが複数回ページを表示するたびにカウントされる点に注意が必要です。間違いやすい指標として、広告が表示された回数を表す「インプレッション」があります。
「CPC(クリック単価)」は1クリックあたりの広告費用
リスティング広告をはじめとしたWeb広告の多くは、ユーザーがクリックするたびに広告費用が発生する従量課金制が一般的です。広告が1回クリックされるためにかかった広告費用の指標をCost Per Clickを略してCPC(クリック単価)と呼びます。算出方法は「広告費÷クリック数」とシンプルで、たとえば、広告費用2,000円で20クリックを獲得した場合、CPCは2,000円÷20回=100円です。
「CV(コンバージョン)」はWebマーケティングにおける「成果」を表す指標
CV(コンバージョン)は、直訳すると「転換」を表し、Webマーケティングにおいては、以下のようにビジネスを向上させるためにユーザーを次のステータスへ転換させることをいいます。
- 新規ユーザーからの資料請求や問い合わせ
- ECサイトでの商品購入
- Webサイトからのサービス利用契約
Webマーケティングで「成果」をあげるためには、CVポイントの設置はとても重要です。また、単純にCV数を増やすだけでなく、コンバージョンの割合を増やすことも大切です。Webサイトにアクセスしたユーザーのうち、CVにつながった割合をCVR(コンバージョン率)という指標で表します。また、1件のコンバージョンを獲得するのにかかったコストをCPA(コンバージョン単価)といい、広告費用÷CV数の計算式で求められます。
Webマーケティングに関わるSEO用語
SEO対策とは、前述に記載の通り、検索結果の上位に表示されるようにWebサイトを最適化し、Webサイトへのユーザー流入を増やす重要な施策です。SEO対策を実施するうえで、ポイントとなるキーワードの意味を順に見ていきましょう。
検索順位に大きく影響する「アルゴリズム」
アルゴリズムとは、Webマーケティングの世界では検索エンジンのロボット(クローラー)が、検索結果の順位を決める際のルールを表す言葉です。GoogleやYahoo!などの検索エンジンのアルゴリズムは、公平性の観点から公開されていませんが、たとえばGoogleの場合、検索キーワードとの関連性、Webサイトの専門性、ユーザビリティなどの複数の指標が組み合わされています。SEO対策では、検索エンジンのアルゴリズムに対応し、なるべく検索結果の上位に表示されるよう、Webページを最適化する必要があります。
外部サイトからリンクされた数を表す「被リンク(バックリンク)」
被リンク(バックリンク、外部リンク)とは、自社のWebページが、外部のWebサイトからリンクされた数を表します。被リンクは検索エンジンのアルゴリズムの構成要素の1つです。以前は被リンクの数が多ければ多いほど検索順位が高くなりましたが、Googleなどの検索エンジンがスパムサイト対策のためにアルゴリズムを見直した結果、被リンクの数よりも、リンクされたWebサイトの質や専門性が重視されるようになりました。
検索ボリュームの多いキーワードを表す「ビッグキーワード」
検索キーワードによって、ユーザーからの検索数が多いものと少ないものがあります。検索ボリュームが多く、ユーザーの流入が期待できるキーワードを「ビッグキーワード」といい、SEO対策の重要なターゲットです。しかし、ビッグキーワードは競合サイトが多くニーズが顕在化されていないケースもあるため、検索ボリュームが低い「スモールキーワード」を狙うケースもあります。スモールキーワードは検索回数が少ないため、ユーザーとの接触率は低いものの、自社のニーズに合ったユーザーと出会える可能性が高くなります。
【まとめ】
Webマーケティング用語を理解し、正しい使い方を覚えましょう
Webマーケティングでは、聞き慣れない専門用語が頻出します。この記事で紹介したマーケティング用語は、基本用語やWebマーケティングの効果測定のための指標、ユーザーの流入を増やすために欠かせないSEO対策に関わるキーワードです。Webマーケティングならではの基本用語を理解し、正しい使い方を覚えることが大切です。