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景品表示法における優良誤認の意味や具体例を詳しく解説

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企業のマーケティング担当者が気をつけておきたいのが、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の「優良誤認」です。もし広告や景品配布が故意でなくても、優良誤認表示にあたると認められると、国や行政から措置命令や課徴金納付命令が下される可能性があります。景品表示法に触れることなく広告やキャンペーンを展開するには、過去の違反事例を分析し、「どこからが優良誤認にあたるか」の線引きを知ることが大切です。この記事では、企業のマーケティング担当者やプロモーション担当者向けに、景品表示法における優良誤認の意味や具体例を詳しく解説します。

景品表示法の優良誤認とは?商品やサービスの品質・規格についての不当表示

1962年5月15日、不当な表示や景品の配布から一般消費者を守り、一般消費者が合理的な選択をできるようにするため、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)が制定されました。景品表示法のなかでも、とくに重要なキーワードの1つが「優良誤認」です。

そもそも表示とは「顧客を誘引するための手段」のこと

そもそも景品表示法の対象となる「表示(広告表示)」とは、事業者が商品やサービスを販売、提供するうえで、顧客を誘引するための手段を意味します。たとえば、チラシやパンフレット、通販カタログ、商品の容器、パッケージ、ラベル、新聞、雑誌、CMなどのメディア、顧客に送付するDM(ダイレクトメール)、インターネット広告などが表示にあたります。
こうした広告表示では、自社の商品やサービスの品質、規格、その他の取引条件などを掲載するのが一般的です。しかし、広告表示に記載された内容が、実際の商品やサービスと著しく異なる場合、優良誤認表示となり、景品表示法違反と認められる可能性があります。

優良誤認とは「事実に相違して商品の内容を良く見せかける表示」のこと

優良誤認は、景品表示法第5条第1号で細かく定義されています。一般消費者に対して、事業者が自己の供給する商品・サービスの取引において、その品質、規格、その他の内容について、以下に該当するものです。不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています。[注1]

  1. 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
  2. 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの

商品やサービスの「品質」「規格」「その他の内容」として、消費者庁は次のような例を挙げています。[注2]

 

品質 商品の成分、原材料、純度、添加物、性能、効果、鮮度など
規格 国・公的機関・民間団体が認めた認証や等級など
その他の内容 商品の産地、製造方法、受賞歴、有効期限など、品質や規格以外で消費者の判断基準となりうるもの

 

広告表示において、商品やサービスの品質、規格、その他の内容を誇張し、社会一般に許容されている程度を超え、消費者の判断に著しく悪影響を及ぼすと認められた場合、優良誤認表示とみなされる可能性があります。

[注1] 消費者庁:優良誤認とは
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/
[注2] 消費者庁:事例でわかる景品表示法 不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0002.pdf

優良誤認表示と有利誤認表示の違いは?有利誤認表示は「取引条件」についての不当表示

景品表示法では、優良誤認表示と並び「有利誤認表示」も禁止しています。優良誤認表示と有利誤認表示にはどんな違いがあるのでしょうか。有利誤認は、景品表示法第5条第2号で細かく定義されています。一般消費者に対し、事業者が自己の供給する商品・サービスの取引において、価格、その他の取引条件について、以下に該当するものを指します。[注3]

  1. 実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
  2. 競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの

つまり、商品やサービスの品質、規格、その他の内容に関係する優良誤認と違い、価格をはじめとした取引条件に関係するのが有利誤認です。代表的な有利誤認表示が、不当な二重価格表示です。二重価格表示とは、「通常価格3,000円のところ、今なら2,000円」など、現在の販売価格よりも高い販売価格(比較対象価格)を併記し、お得感を演出する広告表示を意味します。しかし、比較対象価格の根拠が不明なケースなど、不当な二重価格表示を行った場合は有利誤認表示とみなされる可能性があります。

[注3] 消費者庁:有利誤認とは
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/advantageous_misidentification/

優良誤認表示の商品別事例4つ

優良誤認表示は、故意に記載したものでなくても景品表示法違反とみなされる可能性があります。そのため、過去の違反事例を紐解き、「どこからが優良誤認にあたるか」の線引きを学ぶことが大切です。消費者庁の資料を元に、優良誤認表示の違反事例4つを商品別に紹介します。[注4]

違反事例1. 自動車のガソリン

自動車のガソリンの違反事例では、販売するガソリンの大部分が実際にはレギュラーガソリンであるのにもかかわらず、ハイオクガソリンと表示して販売したため、措置命令を受けています。ガソリンの品質を偽り、一般消費者の正常な判断を妨げているため、優良誤認表示とみなされた事例です。

違反事例2. 一般照明用電球型LEDランプ

一般照明用電球型LEDランプの違反事例では、LED電球の明るさについての表示が問題とされました。表示では「LED電球が消費電力5.7ワットで白熱電球60ワット型とほぼ同等の明るさ」と宣伝されていたものの、実際は白熱電球60ワット型の明るさを大きく下回る商品であったため、優良誤認として消費者庁の措置命令を受けています。

違反事例3. 分譲マンション

ある分譲マンションの広告では、4物件の全ての開口部(窓や玄関など)に対し、ひび割れ防止用の補強を行ったと表示しているにもかかわらず、実際は開口部全体のうち、約25%から約60%しかひび割れ防止用の補強を行っていなかったため、優良誤認と認められました。

違反事例4. 太陽光住宅発電システム

太陽光住宅発電システムについては、事業者の太陽光発電システムの設置により、初期投資分(約98万円)を約36ヶ月で回収できると宣伝した違反事例があります。実際に初期投資費用を回収するには、約36ヵ月ではなく、約120ヵ月の期間を要したため、一般消費者に著しく誤解を与えたとして優良誤認表示とみなされています。

[注4] 消費者庁:景品表示法の主な違反事例及び運用に係る主なガイドライン等について
https://www.cao.go.jp/consumer/history/03/kabusoshiki/kachoukin/doc/140318_shiryou3.pdf

景品配布はデジタルギフトの活用がおすすめ

景品表示法は広告表示や景品配布に関する法律のため、キャンペーンの一環としてギフトやインセンティブの配布を行う場合も、遵守する必要があります。しかし、景品表示法を遵守するため、実物の景品の内容を一つひとつ精査し、選定していくのは時間もコストもかかります。また、景品によって設定できる「景品類の限度額」が定められているため、ギフトやインセンティブなどの現物を配布する場合は商品の管理コストや発送コストもかかります。

そこで、URLやQRコードを発行し、オンラインでユーザーにギフトを贈れる「デジタルギフトサービス」なら、景品の選定や配布の手間を大きく減らすことが可能です。デジタルギフトなら、最小100円からのミニマムギフトも配布できるため、柔軟にキャンペーン設計ができます。ギフトやアメニティなどの景品配布を行う場合は、景品表示法の不当表示と合わせ、「景品類の限度額」などの規制も確認し、デジタルギフトサービスを活用してみてはいかがでしょうか。

【まとめ】

トラブル防止のため、景品表示法の優良誤認の意味や具体例を確認しよう

景品表示法は、消費者の合理的な判断を助けるため、不当な広告表示や景品配布を規制しています。代表的な不当表示が、この記事で紹介した優良誤認表示です。実際の商品やサービスよりも、品質、規格、その他の内容を著しく優良だと見せかける広告表示は、景品表示法違反となる可能性があります。企業のマーケティング担当者やプロモーション担当者は、過去の違反事例を元に優良誤認の線引きを確認しておくことが大切です。

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