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顧客接点のデジタル化がもたらす
コールセンターの変化とAI活用のポイント

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顧客接点のデジタル化がもたらすコールセンターの変化とAI活用のポイント

オペレーターの離職率に課題を抱えるコールセンターが少なくありません。とくに新人オペレーターが定着せず、人材不足に悩むケースが多く見受けられます。しかし、人材不足のなかでも応対品質の向上や、働き方改革にともなうワークライフバランスの改善といった施策に取り組まなければなりません。そこで注目を集めているのが、電話やメール、SNS、チャット、Webサイトのフォームといった顧客接点(タッチポイント)のデジタル化です。顧客接点のデジタル化に取り組むことで、顧客対応を自動化し、生産性を高められます。そのほかにも、顧客ニーズの分析や利便性向上など、さまざまなメリットがあります。この記事では、顧客接点のデジタル化を目指すメリットや、コールセンターに欠かせないAI活用のポイントについて解説します。

顧客接点の重要性とは?顧客接点は企業の「第一印象」を決める

顧客接点とは、タッチポイントともいわれ、企業と顧客が接する機会を意味します。最近では、顧客と直接コミュニケーションを取ることの多いコールセンターも重要な顧客接点を担う1つとされており、電話やメール、SNS、チャットなど問い合わせチャネルの多様化にともない、その重要度も増しています。顧客と直接コミュニケーションを行う顧客接点は、企業の第一印象に影響を与えるため、非常に重要です。そのため、顧客になるべくよい印象をもってもらえるよう、多くのコールセンターが応対品質の改善に取り組んできました。しかし、冒頭でも述べた通り、コールセンター業界は慢性的な人材不足に悩んでいます。とくに新人オペレーターの定着率が低く、採用活動を行ってもすぐに人材が流出してしまうケースがあります。そのため、応対品質を改善するどころか、新人オペレーターの教育や研修すらままならず、ますます離職率が上昇するという負のスパイラルに陥るコールセンターも少なくありません。その打開策として、顧客接点を「デジタル化」し、業務効率化や生産性向上に取り組むコールセンターが増えています。

コールセンターにおける顧客接点のデジタル化が求められる3つの理由

顧客接点のデジタル化がもたらすコールセンターの変化とAI活用のポイント

コールセンターで顧客接点のデジタル化が求められる理由は3つあります。そもそも顧客接点をデジタル化し、電話やメールのほか、SNS、チャット、Webフォームなどのマルチチャネルに対応することは、デジタル社会に対応するうえで必要不可欠です。また、顧客データの取得や、ITツールの導入による顧客対応の自動化など、顧客接点のデジタル化はコールセンターに多くのメリットをもたらします。

スマートフォンの普及により、インターネットを利用するユーザーが増えている

スマートフォンの普及により、インターネットを利用するユーザーが増加しました。総務省の調べによると、2020年のスマートフォンの世帯別利用率は86.8%で、インターネットの利用目的のうち、2番目に多いのが「情報検索(76.4%)」でした。[注1][注2]
コールセンターもスマートフォンユーザーの増加に対応して、SNSやチャットなどの問い合わせ手段を用意し、マルチチャネル化に取り組む必要があります。スマートフォンなどのモバイル端末でも気軽に問い合わせできるようにすることで、コールセンターの利便性を高め、顧客満足度の向上が期待できます。

[注1] 総務省:令和2年通信利用動向調査
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd242110.html

[注2]令和2年度通信利用動向調査の結果(概要)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000756018.pdf

顧客データを取得し、経営資源にする企業が増えている

近年、コールセンターで蓄積した顧客データを活用し、経営資源化する企業が増えています。たとえば、顧客の声(VOC)を収集し、顧客の潜在的なニーズを分析すれば、商品やサービスの改善に活かせます。そのためには、顧客情報のデータベース化が可能なCRMシステムや、問い合わせ記録をテキストとして書き出せるテキストマイニングツールなどのITツールを導入し、顧客接点のデジタル化に取り組む必要があります。

オペレーターの離職率が上昇し、人手不足が慢性化している

コールセンター業界全体で人手不足が慢性化するなか、限られたオペレーターで現場を回し、応対品質を改善していくためには、業務生産性を高めることが大切です。そこで、FAQ管理システムやチャットボット、IVR(自動音声応答システム)などのITツールを導入し、顧客対応の自動化に取り組むコールセンターが増えています。顧客対応を自動化すれば、オペレーターの有人対応工数を削減できるため、少ない人数でもコールセンターを運営していくことが可能です。

顧客接点をデジタル化するには?AI活用の3つのポイント

顧客接点をデジタル化するうえで、どのようなITツールを導入すればよいのでしょうか。コールセンターで近年導入が進んでいるのがAI(人工知能)です。ここでは、顧客接点のデジタル化に役立つAIを活用したITツールを紹介します。

AIチャットボットで、Webサイトのチャットコミュニケーションを自動化する

AIチャットボットとは、会話形式で顧客の質問に自動応答するチャットボットにAIが搭載されたもので、自社サイトに設置することで、顧客とのコミュニケーションを自動化できます。AIが搭載されているチャットボットなら、機械学習によって類義語や言い換え表現にも対応できます。導入にあたっては、学習用に一定の問い合わせデータが必要という注意点がありますが、AIチャットボットを活用することで、Webサイトのチャットコミュニケーションを自動化することができます。

顧客の声(VOC)を収集し、サービス改善に活かす

顧客接点をデジタル化すれば、顧客データを蓄積し、マーケティング戦略に活かせます。とくに顧客の声(VOC)を収集すれば、商品開発やサービス改善、キャンペーン企画の効果測定など、さまざまな用途に活用できます。コールセンターの場合、テキストマイニングツールの導入がおすすめです。テキストマイニングツールとは、AIの音声認識技術によって問い合わせ記録を要約し、テキストとして自動出力するツールです。オペレーターが手作業で問い合わせ記録を書き出す必要がなく、効率的にVOCを収集できます。

AI自動音声応答システムで、定型的な問い合わせを自動受付する

AI自動音声応答システムは、AIを用いた音声認識技術とIVR(自動音声応答システム)を組み合わせたもので、従来のIVRとは異なり、顧客の音声をAIが分析し、最適な応対部署へ自動で振り分けることができます。定型的な問い合わせであれば、チャットボットのようにAIが回答することも可能です。音声認識と音声合成によるコミュニケーションのため、顧客側でのプッシュボタン操作が不要なのも特徴です。

【まとめ】

顧客接点のデジタル化に取り組み、コールセンターの課題解決を

慢性的な人材不足に悩むコールセンター業界では、AI(人工知能)の導入が進んでいます。顧客接点をデジタル化し、電話やメール、SNS、チャット、Webフォームなどのマルチチャネルに対応することで、コールセンターの利便性を高められます。また、AIチャットボットやAI自動音声応答システムなど、AIが搭載されたITツールの導入により、顧客対応を自動化することで、現場のオペレーターの業務負担を軽減することが可能です。コールセンターの課題解決のため、顧客接点のデジタル化に取り組みましょう。

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