顧客満足度の高いFAQサイトを作るには、運用スタート後も定期的にメンテナンスを行う必要があります。FAQの項目を追加し、網羅性を高めるのはもちろん、FAQを見つけやすいようカテゴリー分けを工夫することも大切です。どこから手をつけるべきかわからない場合は、利用者のデータを分析し、FAQサイトの改善点を探しましょう。この記事では、FAQサイトを改善するときのポイントや注意点、定期的なメンテナンスの重要性を解説します。
目次
FAQを改善するときのポイント
FAQサイトをただ作成するだけでは、ユーザーの問題解決につながりません。検索しても知りたい情報を見つけられなかったり、FAQページのレイアウトが最適化されていなかったりする場合、逆にユーザーの不満につながる可能性もあります。FAQサイトを作成しても期待したほどの効果が得られない場合は、検索性やレイアウトの改善に取り組みましょう。FAQを改善するときのポイントを3つ紹介します。
カテゴリーごとにFAQを整理する
まずはカテゴリーごとにFAQを整理してみましょう。ユーザーの問題解決につながらないFAQサイトには、以下のような共通点があります。
- ユーザーが知りたい情報にたどり着けない
- どうやって答えを探せばよいのかわからない
- FAQがページのどこにあるのかわかりづらい
FAQサイトは過去の問い合わせデータからよくある質問を抽出し、データベース化していくことで作られます。そのため、FAQコンテンツの数が300件以上になるケースも少なくありません。数百件のFAQをただ羅列するだけだと、ユーザーが知りたい情報を探すのは困難です。FAQサイトを改善する第一歩として、FAQをカテゴライズし、ユーザーが各カテゴリーから知りたい情報を探せるようにレイアウトを工夫しましょう。なお、FAQをカテゴライズするときは、「カードソート調査」が役立ちます。カードソート調査とは、参加者にカードを配布し、似ていると感じるものを実際に分類してもらう簡単なテストです。カードソート調査はリモートでも実施できるため、FAQのカテゴリー分けが不安な場合はやってみましょう。
FAQの項目を増やし、網羅性を高める
FAQコンテンツは定期的に追加し、網羅性を高めていくことが大切です。FAQの項目が少なすぎると、ユーザーが知りたい情報を得られず、サイトから離脱してしまう可能性があります。また、FAQサイトで疑問や悩みを解決しきれなかった場合、コールセンターや社内ヘルプデスクに問い合わせをするユーザーが増え、業務負担を増加させる一因になります。過去の問い合わせデータを分析し、問い合わせの頻度が高い項目は優先的に追加しましょう。
FAQの検索性を向上させる
FAQサイトの利便性を高めたい場合は、検索性に着目しましょう。FAQの検索性を向上させるポイントは4つあります。
- 自然文検索や絞り込み検索など、便利な検索機能が用意されている
- FAQページだけでなく、他のページにも検索フォームが設置されている
- 検索フォームの導線を考慮し、ユーザーが見つけやすいよう配慮されている
- 人気の質問やキーワードなど、問い合わせ頻度が高い項目が目立つところに表示されている
せっかくFAQコンテンツを充実させても、ユーザーが知りたい情報を見つけられなければ問題解決につながりません。社内向け・社外向けを問わず、FAQサイトのユーザビリティを高めるには検索性を充実させる必要があります。
FAQを改善するときの注意点
FAQを改善するときの注意点は3つあります。FAQサイトは定期的にコンテンツを更新し、ユーザーの反応を見ながら改善していく必要があります。メンテナンス作業を効率化するため、FAQ管理システムやチャットボットシステムの導入も検討しましょう。FAQ管理システムには、ユーザーのアクセス数や評価数などのデータを分析する機能があるため、効果測定も容易になります。
運用スタート後も定期的に更新する
FAQサイトの運用を開始したら、継続的にFAQの追加や更新を行いましょう。FAQサイトに掲載する情報は、時間が経つにつれて古くなります。また、FAQを追加した際に、既存のFAQとの重複や矛盾が発生している可能性もあります。FAQの項目数が多い場合は、問い合わせ頻度が高いFAQやアクセス数が多いFAQなど、優先順位を付けてメンテナンスしましょう。
利用者のデータを分析し、効果測定を行う
FAQサイトの運用をはじめたばかりの時期は、どこから改善したらいいのかわからない場合があります。FAQサイトの改善点を探すのに役立つのが、以下のような利用者のデータです。
- アクセス数
- クリック数
- 評価数
- 検索回数
たとえば、他のFAQよりも評価数が低い場合、「FAQがユーザーの知りたいことと一致していない」、「掲載している情報に不足や誤りがある」といった原因が想定されます。FAQサイトの利用データを収集し、粘り強く効果測定を行いましょう。
FAQ管理システムを導入する
FAQサイトの効果測定なら、FAQ管理システムの導入がおすすめです。FAQ管理システムには、FAQページごとのアクセス数や評価数を自動で分析する機能があるため、利用データを自分で収集する必要がありません。FAQサイトの改善には時間や手間がかかります。FAQ管理システムを導入することで、より効率的にメンテナンスを実施することが可能です。
FAQを改善することの重要性
そもそも、なぜ時間や手間をかけてFAQサイトを改善すべきなのでしょうか。FAQサイトを改善するメリットは2つあります。FAQサイトの利用者が増えれば増えるほど、問い合わせ窓口の業務負担を軽減できます。また、FAQサイトの利便性が高まれば、顧客満足度の向上にもつながります。
問い合わせ窓口の負担が減る
FAQサイトを改善し、FAQの項目を充実させれば、より多くのユーザーがFAQを利用するようになります。FAQサイトで問題を解決するユーザーが増えれば、問い合わせ件数が削減され、コールセンターや社内ヘルプデスクの業務負担を減らすことが可能です。とくに問い合わせ頻度の高い質問は、問い合わせ窓口ではなくFAQサイトに誘導することで業務効率化を実現できます。
顧客満足度が向上する
電話やメールでの問い合わせは、担当者が対応するまでにある程度の待ち時間が必要です。電話がなかなかつながらない場合や、別の担当者に取り次ぐ必要がある場合は、さらに問題解決までのリードタイムが長くなります。しかし、FAQコンテンツを充実させれば、担当者とのやりとりなしに問題を解決することができます。営業時間外でもユーザー自身で問題を解決できるため、顧客満足度の向上につながります。
【まとめ】
FAQサイトの改善のため、3つのポイントに着目しよう
FAQサイトの改善には時間や手間がかかります。「カテゴリーごとにFAQを整理する」、「FAQの検索性を向上させる」など、FAQサイトの改善ポイントを知っていれば、効率的にユーザビリティを向上させることが可能です。作成したFAQサイトをそのまま放置していると、どんどん利用者が減っていきます。利用者のデータを分析し、できるところから改善点を探しましょう。FAQサイトを改善することで、問い合わせ窓口の負担軽減や顧客満足度の向上など、さまざまなメリットを得られます。