Webサービスのセキュリティ強化のため、「SMS認証サービス」を導入する企業が増えています。通常のIDとパスワードを使った認証に加えて、ユーザーが所有する携帯電話の電話番号を活用し、メッセージを送るSMS認証を組み合わせることで、より安全にログインすることができます。しかし、ユーザーのSMSの受信設定や端末の状況によって、SMS認証が届かないケースがあります。この記事では、SMS認証が届かない原因や、ユーザーがSMS認証を確実に受信するための対策を詳しく解説します。
目次
SMSとは?携帯電話の電話番号でメッセージをやりとりするサービス
そもそもSMS(ショートメッセージサービス)とは、スマートフォンや携帯電話の電話番号を活用し、ショートメッセージをやりとりするサービスを指します。大手キャリアではSMSの名称が使われていますが、auでは「Cメール」がSMSに当たります。SMSはメールと違い、文字数に制限があるほか、メッセージを送信する際に文字数に応じた送信料が発生します。しかし、メールアドレスがなくても電話番号がわかればメッセージを送信できる点から、近年ではWebサイトのセキュリティ強化を目的として、「SMS認証サービス」を導入する企業が増えています。SMS認証サービスでは、ユーザーが一回きりのワンタイム認証コードをSMSで受信し、有効期限内に認証コードをWebサービス上で入力することで安全にログインすることが可能です。
▶︎ SMS認証とは?その仕組みやセキュリティ強化におすすめの理由
SMS認証が届かない原因4つ
しかし、ユーザーの利用する端末の受信設定やネットワーク状況によって、SMSの認証コードが届かないケースがあります。SMSが届かない主な原因は次の4つです。
- 端末が圏外や機内モードになっている
- 端末がSMSを受信拒否している
- SMSの送信先に間違った電話番号を伝えている
- SMS認証を短時間で複数回発行した
それぞれの原因について、これから詳しく説明します。
端末が圏外や機内モードになっている
SMSは、利用している端末の携帯電話回線(モバイル通信)を通じて送受信します。端末が圏外や機内モードになっている場合、携帯電話回線を利用できないため、SMSを受信できません。また、モバイル通信をオフにして、Wi-Fiのみで端末を利用している場合も同様です。SMSは最大72時間後まで受信可能なため、端末を携帯電話回線に接続することで再度メッセージを受信できます。
端末がSMSを受信拒否している
携帯メールと同様に、SMSは端末側で受信拒否設定をすることができます。SMS認証サービス事業者を受信拒否していたり、非通知、海外(国際SMS)の送信者を一括ブロックする設定にしている場合、SMSを受信できない可能性があります。とくにSMS認証サービスには、国際回線を利用したものも多いため、国際SMSを受信拒否する設定になっていないか確認しましょう。
SMSの送信先に間違った電話番号を伝えている
SMSは携帯電話の電話番号を利用してショートメッセージを送るサービスです。送信者に間違った電話番号を伝えているとショートメッセージが届きません。SMSが届かない場合、SMS認証サービスに登録した電話番号に誤りがないか、不要なハイフンやスペースが含まれていないかどうかを確認する必要があります。また、過去に電話番号を変更している場合は、古い電話番号のままSMS認証サービスに登録していないかどうかも必ず確認しましょう。
SMS認証を短時間で複数回発行した
SMS認証サービスによっては、認証コードを短時間で複数回発行した場合、一定時間SMSが送信できないケースがあります。入力ミスや誤操作により、SMS認証を何度もリクエストした場合は、再度時間を置いてから試しましょう。
SMS認証を確実に受信するための4つの対策
上記の原因をふまえて、SMS認証を確実に受信するための対策をしましょう。まずは、「そもそもSMS機能のついたプランに加入しているか」、「SMSを受信しない設定になっていないか」など、SMSに関する設定を見直しましょう。それでも問題が解決しない場合は、利用している端末のSMSの保存容量や、端末が最新の状態になっているかどうかを確認しましょう。SMS認証を確実に受信するための対策を4つ解説します。
SMS機能のついたプランに加入する
そもそも利用している端末がSMSに対応していない場合は、SMS機能のついたプランに加入しましょう。ほとんどのユーザーは携帯電話の契約時に電話番号を保有しますが、携帯電話のキャリアによっては、SMSなしのプランを提供している場合があります。たとえば、格安SIMに分類されるキャリアでは、電話番号がなくデータ通信のみが可能なデータSIMプランを提供しています。電話番号がなければSMSを受信できないため、SMS認証サービスを利用する場合は、まずSMS機能のついたプランに加入する必要があります。
SMSの受信設定を見直す
SMSの認証コードが届かない原因の多くは、SMSの受信設定にあります。利用している端末の設定をチェックし、SMSを受信できる状態になっているか確認しましょう。次のいずれかに当てはまる場合、SMSが受信できない設定になっている可能性があります。
- SMSの迷惑メール設定をしていないか
- 非通知や海外のSMSを受信拒否する設定になっていないか
- 端末が圏外や機内モードになっていないか
- モバイル通信をオフにして、Wi-Fiのみで通信していないか
- SMSを受信するアプリの通知がオフになっていないか(受信しているが、気がついていない)
また、SMS認証サービスの事業者に間違った電話番号を伝えていないかどうかも確認しましょう。
端末の保存容量を確認する
それでもSMSの認証コードを受信できない場合、端末側のSMSの保存容量を確認してみましょう。SMSの保存容量がいっぱいの場合、それ以上SMSを受信することができません。SMSを受信するためには、不要なSMSを削除し、保存容量を確保する必要があります。SMSの保存容量がいっぱいになったと警告があったり、古いSMSが大量に保存されている場合は、保存容量に空きがあるかどうか確認してみましょう。
端末に故障がないか確認する
なんらかの理由で端末が故障し、SMSの送受信機能が使えない可能性もあります。上記の対策を試してもSMSの認証コードを受信できない場合は、まずスマートフォンや携帯電話を再起動し、時間を空けてから再度認証を行ってみましょう。また、端末のシステム(OS)や、SMSを受信するためのアプリが最新のバージョンではない場合は、一度アップデートも試してみましょう。それでもSMSの受信がうまくいかない場合は、端末が故障している可能性があるため、契約している携帯電話会社への問い合わせが必要です。
【まとめ】
SMS認証が届かない理由を知り、確実に受信するための対策を
SMSの認証コードが届かない場合、SMSに関する設定や端末のネットワーク状況に問題がある場合があります。端末が圏外や機内モードになっていたり、SMSを受信拒否している場合、サービス側から認証コードが送信されても端末にSMSが届きません。安心安全にSMS認証サービスを利用するためには、SMS認証が確実に届く設定にしておくことが大切です。携帯電話番号がなければSMS認証サービスが利用できないため、格安SIMのデータSIMプランなどを契約している方は、SMS機能のついたプランに変更しましょう。