FAQサイトの解決率を高めることで顧客の自己解決を促進し、コールセンターへの問い合わせ件数を減らせます。しかし、FAQサイトの検索性が低かったり回答がわかりにくいと、顧客が抱える疑問や悩みは解決せず、かえって混乱を招き、有人窓口への流入が増えてしまう原因にもなりかねません。FAQサイトは定期的にメンテナンスし、「顧客が必要な情報を見つけられているか」、「顧客が本当に求める回答になっているか」、「顧客にとって使いやすいサイトになっているか」を確認することが大切です。FAQサイトを設けているにもかかわらず、なかなか問い合わせ件数が減らない場合は、解決率の高いFAQサイトから学び、コンテンツを改善しましょう。この記事では、解決率の高いFAQサイトに見られる共通点や、FAQサイトの解決率を高めるためのポイントを解説します。
目次
解決率の高いFAQサイトの3つの共通点
解決率の高いFAQサイトには共通点が3つあります。情報のファインダビリティ(Findability)を意識し、簡潔でわかりやすいコンテンツを作成しましょう。
FAQがカテゴリーに分かれている
解決率の高いFAQサイトは、FAQをカテゴリーに分類し、顧客が見つけやすいように工夫しています。情報の見つけやすさを「ファインダビリティ」といい、FAQサイトでは重要な指標です。ファインダビリティが低いと、顧客は欲しい情報が得られないまま途中でFAQサイトから離脱し、電話やメールなど別の問い合わせ手段に移行してしまいます。ポイントはFAQをただ羅列するのではなく、階層的な構造にすることです。たとえば、「商品」、「ソフトウェア」、「機能」、「料金プラン」、「契約内容」などのカテゴリーにFAQを分けることで、顧客が本当に知りたいFAQを見つけやすくなります。大カテゴリーをさらに中カテゴリ、小カテゴリーに分類するなど、階層的な構造のFAQコンテンツを作成することで、顧客は探している情報にたどり着きやすくなり、よりFAQサイトのファインダビリティを高められます。
(例)
・大カテゴリー:「商品から探す」、「目的から探す」
・中カテゴリー:「商品」、「ソフトウェア」、「機能」、「料金プラン」、「契約内容」…
・小カテゴリー:「設定方法」、「使用方法」、「不具合」…
検索性が高く、必要な情報を見つけやすい
ファインダビリティを高めるには、FAQサイトの検索性も重要です。どれだけFAQを用意しても、必要とする顧客に見つけてもらえなければ、解決には至らず電話やメールによる問い合わせは減りません。解決率を高めるには、豊富な検索機能を設け、必要な情報をすばやく見つけられるFAQサイトである必要があります。代表的な検索機能として、AIを活用し、話し言葉でも検索できる「自然文検索」や、検索結果を別の条件やカテゴリで絞り込める「絞り込み検索」、検索キーワードと関連性のあるキーワードを類推する「サジェスト機能」があります。自社で検索機能を構築するのが難しい場合は、FAQサイトの作成に特化したFAQ管理システムがおすすめです。
回答が簡潔でわかりやすくまとめられている
顧客は疑問や悩みを解決するためにFAQサイトを利用します。解決率の高いFAQサイトでは、誰が読んでもわかるような表現を使い、回答が簡潔にまとまっています。逆に、専門用語が多かったり、記述がわかりにくかったりすると、FAQそのものの解説が必要になり、顧客は自己解決ができず、電話やメールでの問い合わせにつながります。必要に応じて図や画像、リンクを使い、わかりやすいFAQサイトを目指しましょう。
自己解決率が低いFAQサイトは何が問題?3つの見直しポイント
自己解決率が低いFAQサイトには、具体的にどのような問題があるのでしょうか。FAQサイトを作ったのに問い合わせ件数が減らない3つの原因を紹介します。
「0件ヒット」が多発する
早急に見直しが必要なのが、FAQサイトで「0件ヒット」が多発するケースです。0件ヒットとは、FAQサイトで検索をしても該当するFAQが見つからない状態のことです。0件ヒットが多発すると、顧客の途中離脱だけでなく、再訪率の低下にもつながります。0件ヒットの原因でよくあるのは、そもそも該当するFAQが用意されていないケースや、「会員」と「ユーザー」、「スマホ」と「スマートフォン」など、顧客の検索キーワードと企業の想定した検索キーワードにギャップがある場合です。顧客の検索キーワードの分析や、表記ゆれに対応できるFAQ管理システムの導入など、0件ヒット対策に取り組みましょう。
FAQの重複や矛盾が見られる
FAQの重複や矛盾が多い場合もスムーズな自己解決につながりません。とくに同じ質問なのにページによって答えが違う場合、顧客の混乱を招きます。FAQの重複や矛盾が発生する原因として、「異なる担当者が別々にFAQを作成した」、「FAQの内容を改定したが、古いFAQが残っている」などが考えられます。FAQコンテンツは定期的に見直し、質問と回答を整理しながら精度を保つことが大切です。
本当に知りたい答えと違う
FAQサイトに掲載されている回答と、顧客が本当に求めている回答にギャップがある場合も、FAQサイトの自己解決率を低下させます。たとえば、同じ「契約プラン」についてのFAQでも、「契約プラン」の確認がメインか、変更がメインかによってFAQの内容が大きく異なります。FAQサイトの構築時は、顧客の視点に立ち、過去の問い合わせ内容やコールセンターなどから吸い上げた顧客の声(VOC)を活用して、本当に顧客が知りたい回答を掲載することが大切です。
FAQサイトの自己解決率を高める3つのポイント
FAQサイトの自己解決率を高めるポイントは、「FAQの定期的な見直し」、「相互リンクでFAQをつなぐ」、「チャットボットシステムを併用する」の3つです。
FAQを定期的に見直そう
FAQサイトは定期的に見直し、最新の情報を掲載しましょう。メンテナンスの際に重複や矛盾がないか、情報が古かったりわかりにくいFAQがないかを確認することも大切です。こういったFAQのメンテナンスに役立つのが、FAQ管理システムのレポート機能です。レポート機能を活用すれば、FAQごとのアクセス数や評価数、検索数が多いキーワードを分析することができます。「アクセス数が極端に低いFAQを重点的に改善する」、「ヒット数が少ない検索キーワードに対応する」、「評価が低いFAQの見直しをする」など、効率的にFAQページを改善できます。
関連するFAQページを相互リンクでつなごう
FAQサイトを利用する顧客は、複数の疑問や悩みを抱えているケースが少なくありません。同一カテゴリー内のFAQなど、関連性のあるFAQを相互リンクでつなぐことで、より顧客の自己解決を促進できます。顧客のアクセス履歴を分析し、遷移率や解決率を確認することで、相互リンクが本当に役立っているかどうかを判断できます。
チャットボットシステムを併用しよう
FAQコンテンツとチャットボットシステムを併用するのもおすすめです。チャットボットとは、会話形式で顧客の問い合わせに自動応答をおこなうシステムのことで、あらかじめ分析した回答データに基づき、自動で顧客の問い合わせに回答できます。FAQの他にチャットボットの導線を用意することで、顧客の利便性を高めつつ、電話やメールといった有人窓口への移行を抑制できます。FAQと連動可能なタイプのチャットボットシステムなら、メンテナンスの手間も軽減されます。
【まとめ】
FAQサイトの問題点に気づき、解決率を改善しよう
解決率が高いFAQサイトには、いくつか共通点があります。「0件ヒットが多い」、「FAQの重複や矛盾がある」など、FAQサイトの問題点を発見し、顧客の視点で利便性を高めることが大切です。FAQ管理システムを導入すれば、FAQの作成からメンテナンスまでワンストップで課題を解決できます。豊富な検索機能を活用したり、顧客の問い合わせ傾向を分析できるため、FAQサイトの解決率にお悩みの方は、FAQ管理システムの導入を検討しましょう。