FAQ管理システムといっても、エンドユーザー向けのFAQや、コールセンター向けのFAQなど、さまざまな種類の製品があります。FAQ管理システムを導入するときは、自社の目的に合う製品を選ぶことが大切です。FAQ管理システムは、大きく分けて「顧客向けFAQ」、「社内向けFAQ」、「オペレーター向けFAQ」の3種類あります。この記事では、3種類のFAQ管理システムの特徴やメリット、向いている場面をわかりやすく解説します。
目次
FAQ管理システムは3種類に分けられる!
FAQ管理システムは、FAQ(Frequently Asked Questions)を作成・更新するためのツールです。共通の機能として、HTMLの知識がなくてもFAQを作成できるエディタ機能や、FAQコンテンツの閲覧数や評価数を分析する統計分析機能などがあります。FAQ管理システムは、顧客向けFAQ、社内向けFAQ、オペレーター向けFAQの3種類に分けられます。
顧客向けFAQ | Webサイトを訪問した顧客を対象として、よくある問い合わせをまとめたFAQ |
社内向けFAQ | 社員からの問い合わせへの回答や、代理店・取引先との情報共有を目的としたFAQ |
オペレーター向けFAQ | コールセンターやコンタクトセンターでの利用を想定し、問い合わせ対応をサポートする機能を持ったFAQ |
FAQ管理システムによっては、一つのシステムで顧客向けFAQや社内向けFAQ、オペレーター向けFAQとして活用できる製品もあります。
顧客向けFAQの特徴
顧客向けFAQは、企業のWebサイトを訪れたユーザーを対象としたFAQです。たとえば、サービスサイトやコーポレートサイトに設置された「よくある質問」や「よくある問い合わせ」が顧客向けFAQに当てはまります。顧客向けFAQのポイントは2つあります。
- 問い合わせのなかから、頻度が高いものを優先して掲載する
- 専門的な用語を使わず、一般ユーザーがわかりやすい言葉を使用する
顧客向けFAQに掲載するコンテンツは、過去の問い合わせのなかから頻度が高いものを選ぶことが一般的です。顧客向けFAQは多くのユーザーがアクセスするため、なるべく問い合わせ頻度が高いものを掲載することで、FAQサイトの利便性が高まります。FAQページを作成すれば、顧客が自分自身で疑問や悩みを解決できるため、窓口や営業店の業務負担を大きく減らすことができます。また、顧客向けFAQのターゲットは、商品やサービスに興味を持った一般ユーザーです。そのため、専門用語や業界用語はなるべく使用せず、平易でわかりやすい言葉を使いましょう。
顧客向けFAQのメリット
顧客向けFAQを作成するメリットは3つあります。
- 顧客が自分自身で疑問や悩みを解決するため、問い合わせ件数を削減できる
- FAQページは24時間365日公開されているため、営業時間外も問い合わせに対応できる
- SEO対策との相性が良いため、サービスサイトやコーポレートサイトが上位表示される可能性が高くなる
顧客向けFAQを作成するメリットの一つ目は、「顧客が自分自身で疑問や悩みを解決するため、問い合わせ件数を削減できる」点です。メールや電話での問い合わせが減少すれば、担当者の業務負担の減少につながります。顧客向けFAQを作成すれば、顧客満足度の向上も期待できます。また、有人での顧客対応とは違い、FAQページなら24時間365日アクセスできます。顧客向けFAQがあれば、営業時間外の問い合わせにも対応可能です。
FAQはSEO対策(検索エンジン最適化)との相性がよいのもメリットの一つです。サービスサイトやコーポレートサイトにFAQを設置すれば、検索エンジンで上位表示されやすくなります。
顧客向けFAQのデメリット
一方、顧客向けFAQにはデメリットも2つあります。
- FAQの数が増えるにつれて、FAQサイトの検索性を工夫する必要がある
- 専門性の高い質問の場合、FAQだけでは解決できない可能性がある
FAQの件数が数千件、数万件と増えるにつれて、ユーザーが知りたい情報を探しづらくなります。FAQの登録数が増えてきたら、FAQサイトの検索性を工夫しましょう。たとえば、自然文検索や絞り込み検索など、高度な検索機能が搭載されたFAQ管理システムの導入がおすすめです。
また、顧客向けのFAQのデメリットとして、「専門性の高い質問の場合、FAQだけでは解決できない可能性がある」点が挙げられます。FAQサイトで問題を解決できなかった場合を想定し、電話やメール、Webフォーム、チャットボットなど、他のサポートチャネルの導線をFAQサイトに設置しましょう。
社内向けFAQの特徴
顧客向けFAQに対し、社員が使うことを想定したFAQが「社内向けFAQ」です。社内向けFAQのメリットやデメリット、想定される利用シーンを解説します。
社内向けFAQのメリット
社内向けFAQを導入するメリットは2つあります。
- 社内の有用なナレッジを共有し、情報資産として活用できる
- 代理店や取引先との情報共有がスムーズになる
主に社内向けFAQが利用されるのは、社員からの問い合わせに対応するヘルプデスクです。また、社内の有用なナレッジをFAQページに掲載し、ナレッジ管理システムとして活用することもできます。たとえば、営業部門の場合、その日の営業スケジュールや、営業用のトークスクリプトなどを共有できます。また、代理店や取引先との情報共有の手段として、社内向けFAQを活用している事例もあります。
社内向けFAQのデメリット
一方、社内向けFAQを導入するデメリットは、「利用者を増やすのが難しい」という点があります。顧客向けFAQとは違い、社内向けFAQの主なターゲットは社内の人員に限られます。社内向けFAQのメリットを社員に周知したり、社内ポータルサイトにFAQを設置したりして、少しずつ利用者を増やしましょう。
オペレーター向けFAQの特徴
オペレーター向けFAQは、コールセンターやコンタクトセンターでの利用を想定したFAQです。他のFAQとの違いは、通常のFAQ管理システムの機能に加えて、顧客の問い合わせ対応をサポートする機能が搭載されている点にあります。オペレーター向けFAQの特徴や、メリット・デメリットを解説します。
オペレーター向けFAQのメリット
オペレーター向けFAQを作成するメリットは、「顧客対応の効率化につながる」という点です。オペレーター向けFAQには、問い合わせ対応をサポートする「オペレータ専用画面」が用意されています。オペレータ専用画面を利用すれば、顧客からの問い合わせに対応しながら、同じ画面でFAQやナレッジを検索することが可能です。コールセンターの応対品質を高めたい場合は、オペレーター向けFAQの導入を検討しましょう。
オペレーター向けFAQのデメリット
一方、オペレーター向けFAQは、通常のFAQ管理システムよりも導入コストや運用コストが高額な傾向にあります。人的コストの削減や応対品質の向上など、FAQ管理システムの導入メリットと比較して、きちんと費用対効果を計算しましょう。
【まとめ】
FAQ管理システム3種類の特徴やメリットを知り、自社に合ったシステムを導入しよう
FAQ管理システムは、よくある質問と回答をまとめたFAQを作成するためのツールです。FAQ管理システムといっても、顧客向けFAQ、社内向けFAQ、オペレーター向けFAQの3種類に分けることができます。それぞれメリットやデメリット、おすすめの利用シーンが異なるため、自社の導入目的に沿った製品を選ぶことが大切です。たとえば、顧客向けFAQは、「ユーザーからの問い合わせ件数を減らしたい」、「サービスサイトの顧客満足度を高めたい」といった導入目的の場合に役に立ちます。FAQ管理システムを導入する前に、3種類のFAQ管理システムの特徴やメリットを知っておきましょう。