FAQサイトを改善する場合、まずユーザーの利用状況を分析する必要があります。FAQの分析に役立つ指標として、検索結果がクリックされた割合を表す「クリックスルー率」や、検索結果が1件もヒットしなかった割合を示す「0件ヒット率」などがあります。こうした分析結果をもとに、具体的な対応策を考えることが大切です。この記事では、FAQの分析に役立つ4つの指標とFAQ改善の対応策を解説します。
目次
FAQの分析に役立つ指標
FAQの分析に役立つ指標は4つあります。
クリックスルー率 | 検索結果に表示されたFAQがクリックされた割合 |
0件ヒット率 | 特定のキーワードで検索したときに「検索結果なし」になった割合 |
閲覧後の問い合わせ件数 | FAQページを閲覧した後でユーザーが問い合わせ行動を行った割合 |
アクセス数 | ユーザーがFAQページにアクセスした数 |
それぞれの指標の見方やポイントを解説します。
クリックスルー率
クリックスルー率とは、検索結果に表示されたFAQのうち、クリックされた割合を表す指標です。クリックスルー率の計算式は次の通りです。
- クリックスルー率=クリック数÷検索結果の表示回数×100
たとえば、「キャンセル」というキーワードで検索結果が20回表示され、そのうちFAQが合計5回クリックされたとします。この場合のクリックスルー率は、5回÷20回×100=25%です。クリックスルー率を調べることで、「検索結果を見たユーザーがFAQをクリックしているか」、「検索キーワードの意図に合ったFAQが表示されているか」がわかります。クリックスルー率が低い場合は、ユーザーのニーズに合ったFAQコンテンツを提供できていないため、早急に改善が必要です。
0件ヒット率
0件ヒット率は、FAQサイトの効果測定を行ううえで重要な指標の一つです。そもそも「0件ヒット(検索結果なし)」とは、特定のキーワードでFAQを検索した際、検索結果が1件もヒットしない状態を指します。0件ヒット率は、一定期間中にキーワードが検索された回数のうち、「0件ヒット」となった割合を指す指標です。0件ヒット率の計算式は次の通りです。
- 0件ヒット率=0件ヒット数÷キーワードの検索回数×100
たとえば、毎月の検索回数が10,000件のFAQサイトで、0件ヒットとなった回数が2,000件だとします。この場合の0件ヒット率は、2,000件÷10,000件×100=20%です。0件ヒット率が高い場合、多くのユーザーがFAQサイトから必要な情報を得られていないことがわかります。FAQサイトの顧客満足度を低下させないためには、0件ヒット率が高くなっていないか注視しましょう。
閲覧後の問い合わせ件数
閲覧後の問い合わせ件数とは、ユーザーがFAQを参照した後に、電話やメールなどの問い合わせを行った回数を表す指標です。閲覧後の問い合わせ件数は、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使用し、FAQページを閲覧したユーザーの行動を追跡することで調べられます。閲覧後の問い合わせ件数は、FAQサイトの「解決率(問題解決につながった割合)」を評価するための指標です。閲覧後の問い合わせ件数が多い場合、FAQサイトがユーザーの問題解決につながっておらず、改善が必要なことがわかります。
アクセス数
アクセス数は、ユーザーがFAQサイトにアクセスした回数を表す指標です。FAQサイトには、自社サイトのトップページや、Googleなどの検索エンジン、メルマガのリンク、問い合わせフォームからの誘導など、さまざまな経路でアクセスされます。アクセス数が多い場合、FAQサイトの利用者が順調に増えていることがわかります。FAQサイトを立ち上げたばかりの場合は、利用者を拡大するため、アクセス数を増やす施策に取り組みましょう。たとえば、検索エンジンからの流入を増やす場合、FAQサイトのSEO対策(検索エンジン最適化)を実施しましょう。
FAQの分析結果をもとにした具体的な対応策
それでは、FAQの分析結果をもとにして、どのような対応策を考えればよいのでしょうか。ここでは、「特定のキーワードで検索結果が1件もヒットしなかった場合」、「ほかのFAQよりもクリック率が低い場合」の2つのケースを例に挙げ、FAQサイトを改善する流れを紹介します。
「検索結果なし」になる場合はキーワードに関連する項目を増やす
まずは0件ヒット率が高い場合の対応策です。特定のキーワードで「検索結果なし」になる場合、そのキーワードに関連したFAQを新しく用意する必要があります。そのキーワードの検索回数が多い場合、ユーザーからの需要が大きいことが想定されるため、早急にFAQを作成しましょう。FAQを追加するときは、検索キーワードからユーザーの意図を推測し、関連性の高いFAQを作成する必要があります。
クリックスルー率が低い場合は質問文を見直す
次に、クリックスルー率が低い場合の対応策です。クリックスルー率が低いということは、「検索結果を見たユーザーの多くがFAQをクリックしていない」という状態です。クリックスルー率が低くなる原因は2つあります。
- 検索結果に表示される質問文がわかりづらく、ユーザーがクリックしていない
- ユーザーの検索意図にあったFAQになっていない
まずは検索結果に表示される質問文(タイトル)を見直しましょう。質問文が画面から見切れていたり、質問文がわかりづらいとクリックスルー率に影響します。また、ユーザーの検索意図に合った質問文になっているかどうかもチェックしましょう。
FAQを分析するときの注意点
FAQを分析するときの注意点は2つあります。
- FAQを改善した後の変化もチェックする
- 定期的にFAQの指標をモニタリングする
FAQサイトの改善を行ったら、改めてユーザーの利用状況を分析し、サイト改修前後での変化をチェックすることが大切です。FAQサイトを改修した結果、逆にクリックスルー率や0件ヒット率が悪化する可能性もあります。FAQの分析と効果測定を繰り返し、粘り強くメンテナンスしていくことが大切です。また、FAQの指標は定期的にモニタリングしましょう。FAQサイトを放置すると、掲載した情報が古くなっていたり、利用者が減っていても変化に気づくことができません。FAQサイトを構築したら終わりではなく、担当者を決めて継続的に改善していくことが大切です。
【まとめ】
FAQサイトの改善なら、クリックスルー率や0件ヒット率などの指標を分析しよう
FAQサイトの利用者を増やすには、運用開始後のメンテナンスが重要です。FAQサイトの改善点を探すため、クリックスルー率、0件ヒット率、閲覧後の問い合わせ件数、アクセス数などの指標を分析しましょう。たとえば、FAQのクリックスルー率が低い場合、質問文がわかりづらく、ユーザーがFAQをクリックしていない可能性があります。FAQの指標は定期的にモニタリングすることが大切です。また、FAQサイトを改修するたびに効果測定や分析をしましょう。FAQサイトの改善なら、クリックスルー率や0件ヒット率などの統計データを分析可能なFAQ管理システムの導入がおすすめです。