問い合わせ頻度が高い質問を「よくある質問」としてまとめたページをFAQと呼びます。FAQとよく似ているのが、質問とその回答をまとめたQ&Aです。それでは、FAQとQ&Aの違いは何でしょうか。また、どのようなシーンで活用されるので しょうか。問い合わせ件数の削減や、顧客対応の効率化が課題となっている場合は、Q&AではなくFAQの活用が効果的です。この記事では、FAQとQ&Aの違いや、FAQサイトの必要性、担当者が知っておきたいFAQ導入時の注意点を解説します。
目次
FAQとQ&Aの違い
Q&A(Question and Answer)とは、質問とその回答を並べ、ユーザーが疑問や悩みを解決できるようにしたものを指します。一方、FAQ(Frequently Asked Question)は、質問のなかでも特に問い合わせ頻度が高い「よくある質問」とその回答をまとめたものを表します。FAQとQ&Aはよく似た意味を持ちますが、質問とその回答を網羅する役割を持ったQ&Aに対し、よりユーザーの問題解決を重視しているのがFAQです。
定義 | 目的 | |
FAQ | 問い合わせ頻度の高い「よくある質問」と回答をまとめたページ | ● ユーザーの自己解決の促進 ● 問い合わせ件数の削減 ● 顧客対応の負担軽減 |
Q&A | 質問とその回答を一覧化してまとめたページ | ● 情報の網羅的・体系的な整理 ● マニュアルの作成 |
FAQの目的や活用方法
FAQは問い合わせ頻度が高い「よくある質問」をまとめたページです。よくある問い合わせをFAQとして掲載し、ユーザーに見てもらうことで自己解決を促すという目的を持っています。ユーザーが電話やメールなどの問い合わせ行動を起こす前に自分で疑問や悩みを解決できるため、問い合わせ件数の削減や顧客対応の負担軽減につながります。FAQの主な活用シーンは以下の通りです。
- 商品やサービスの使い方などを説明するカスタマーサポートとして
- 社員からの問い合わせに回答する社内ヘルプデスク業務の一環として
- 知見やノウハウを蓄積するナレッジ共有ツールとして
- コールセンターが蓄積した問い合わせデータの活用方法として
Q&Aの目的や活用方法
Q&AはFAQと同様に、質問とその回答をまとめたページを指す言葉です。しかし、主に問い合わせ頻度の高い質問をまとめたFAQとは違い、想定される質問と回答を網羅的に掲載するという特徴があります。また、FAQを作成するときは、コールセンターなどに寄せられた実際の問い合わせ履歴を活用することが一般的ですが、Q&Aはコールセンターと連携して作成するとは限りません。商品やサービスに関して想定される質問を洗い出し、マニュアルのような形で情報をまとめたものもQ&Aに含まれます。FAQと比較して、より広い範囲で活用されているのがQ&Aです。
FAQの必要性
そもそも、なぜFAQサイトを作成する必要があるのでしょうか。FAQサイトを作成する狙いは、問い合わせ頻度の高い質問をサイトに掲載することで、ユーザーの自己解決を促進することです。ユーザーが疑問や悩みをFAQで解決できれば、電話やメールなどでの問い合わせ行動を削減できます。そのため、FAQサイトの作成には、問い合わせ件数の削減や、顧客対応の効率化などのメリットがあります。
FAQページが必要な企業の特徴
FAQページを作成すべき企業の特徴は以下の通りです。
- 問い合わせの多い項目をFAQとして整理することで、サービスを改善したい
- 問い合わせ件数を削減し、顧客対応の負荷を軽減したい
- カスタマーサポート部門の顧客満足度を高めたい
- SEO対策により、自社サイトの評価を向上させたい
FAQページを作成すれば、ユーザーが疑問や悩みを自己解決できます。問い合わせ件数が多く、カスタマーサポート部門がパンクしそうな企業や、問い合わせ担当者の人員不足に悩んでいる企業は、Q&AよりもFAQの作成がおすすめです。また、FAQページを作成することで、検索エンジンの自社サイトの評価を向上させ、SEO対策にもつながります。
FAQの運用担当者が知っておきたいFAQ導入時の注意点
FAQ導入時の注意点は3つあります。FAQサイトを効果的に運用するには、問い合わせ履歴の収集やFAQコンテンツの品質管理などの仕組みづくりが必要です。ユーザーの疑問とのズレを防ぐため、定期的にFAQコンテンツを見直し、アップデートしていく必要があります。また、FAQサイトの見せ方やレイアウトにも注意することが大切です。
FAQの運用には管理工数がかかる
FAQページに掲載した情報は日々古くなっていきます。また、FAQページのほかにも紙のマニュアル、サービスサイト、チャットボットなどの媒体で情報発信を行っている場合、新しくFAQを追加するたびに各媒体の更新作業をする必要があります。FAQの運用には管理工数が必要です。FAQの追加やレビュー・承認、他の媒体との整合性をとる作業など、FAQを効率的に運用するための仕組みづくりが求められます。
ユーザーの疑問とのズレを解消する仕組みが必要
企業によっては、カスタマーサポートの担当者ではなく、情報システム部門など、別のチームがFAQサイトの作成を担当するケースがあります。現場の担当者は肌感覚としてユーザーの疑問や悩みを知っていますが、別の部署で働くチームはそうではありません。ユーザーが本当に知りたい情報がFAQページに反映されているか定期的にチェックし、実際の問い合わせ内容とのズレを解消する必要があります。そのためには、カスタマーサポート部門とそれ以外の部門で過去の問い合わせ履歴や回答例を共有する仕組みが必要です。また、FAQページの閲覧数や評価数などのデータを分析し、ユーザーのニーズに合ったコンテンツになっているかどうかモニタリングすることも大切です。
FAQサイトの見せ方やレイアウトも重要
FAQコンテンツをただ並べただけでは、ユーザビリティの高いFAQサイトにはなりません。FAQサイトの見せ方やレイアウトを工夫することも大切です。FAQサイトのレイアウトの例として、「FAQのカテゴリ分けをし、ユーザーが探しやすいようにする」、「検索窓を設置し、FAQをキーワードで検索できるようにする」といった工夫が挙げられます。顧客目線に立ち、ユーザーが知りたい情報を探しやすいFAQサイトを目指しましょう。
【まとめ】
問い合わせ件数の削減や業務効率化なら、Q&AよりもFAQの作成を
Q&Aは質問とその回答をまとめたページのことです。Q&Aのなかでも、とくに問い合わせ頻度が高い「よくある質問」をまとめたものをFAQと呼びます。FAQを作成すれば、ユーザーが知りたい情報を効率よく探すことができるため、問い合わせ件数の削減や、顧客対応業務の効率化につながります。「似たような問い合わせが多い」、「問い合わせ担当者の人員が不足している」といった課題を抱える企業は、FAQサイトの作成を検討しましょう。FAQサイトの運用には、新しいFAQの追加やユーザー満足度の分析など、一定の管理工数がかかります。FAQサイトの運用を効率化したい場合は、FAQ管理システムの導入も検討しましょう。