FAQページは、ユーザーの疑問解決やカスタマーサポートの負担の軽減に役立ちますが、十分に機能していないケースも少なくありません。本記事では、FAQページが見られない主な原因と、改善のための具体的な方法を紹介します。
FAQページが機能しない原因
FAQは本来、ユーザーの疑問を解消し、問い合わせ数を減らす有効なツールです。しかし、実際にはFAQページが活用されず、ユーザーはサポート窓口に問い合わせをしてしまいます。その主な理由は以下の3点です。
- 情報の整理が不十分で、目的の回答を探すのに時間がかかる
- 専門用語が多く、一般ユーザーには理解しにくい
- デザインや操作性に配慮がなく、利用時にストレスを感じる
これらの問題は、ユーザー体験を損ねるだけでなく、サポート業務の負荷も増やします。効果的なFAQページを作るには、ユーザー視点に立った情報設計と使いやすいUIデザインが不可欠です。
FAQデザインの失敗例10選
ここでは、実際にあるFAQの失敗例をいくつか見ていきましょう。
1. 質問が羅列されていてカテゴリ分けがない
質問がただ一覧表示されているだけだと、ユーザーは膨大な質問リストの中から目的の情報を探す必要があります。これでは、時間と労力を要し、FAQの利用を断念する可能性があります。そのため、カテゴリ分けや階層構造を用いて直感的に探せるデザインにすることが重要です。
2. 検索機能がついていない/検索精度が低い
FAQページに検索機能がなかったり、精度が低い場合、ユーザーは目的の情報にたどり着けずストレスを感じます。そのため、精度の高い検索機能を使い、直感的に情報を見つけられるようにすることが大切です。
3. 回答が長すぎて読みにくい
FAQの回答は簡潔で分かりやすいものであるべきですが、長文で専門的な説明になりがちです。ユーザーは素早く情報を得たいと考えているため、長い回答は読む意欲を失わせてしまいます。FAQの回答は簡潔に、必要に応じて詳細ページへリンクする形が理想です。
4. 操作性が悪いデザイン/UI
アコーディオン形式やリンクの配置ミスはユーザーの利用体験を大きく損ねます。クリック箇所が小さすぎたり、リンクの色が背景と区別しにくかったりすると、ストレスを感じ、FAQページの利用を避けるようになります。直感的で使いやすいUIデザインは、ユーザーの満足度を高める重要な要素です。
5. フォントサイズ・配色が見にくい
視認性の悪いデザインは、ユーザーに不快感を与え、情報の理解を妨げます。小さすぎるフォントサイズ、コントラストの低い配色、読みにくいフォントの選択などは、FAQページを利用する際の大きな障壁となります。適切なフォントサイズと配色の選択は、ユーザビリティを向上させるうえで非常に重要です。
6. モバイル表示が最適化されていない
スマートフォンでのWeb利用が一般的となった現在、モバイル対応は必須です。しかし、多くのFAQページはデスクトップ版のレイアウトをそのまま縮小しただけで、モバイル環境での使いやすさを考慮していません。モバイルユーザーを意識したレスポンシブデザインが必須です。
7. 回答が専門的すぎる
FAQの回答が技術者や専門家の視点で書かれていると、一般ユーザーにとっては理解が困難です。専門用語の多用や、ユーザーの前提知識を考慮しない説明は、情報の伝達を妨げます。誰にでも理解できる言葉と、必要に応じて図や例を用いた説明が効果的です。
8. FAQの更新頻度が低く、情報が古いまま
製品やサービスは常に進化していますが、FAQページの更新が追いついていないケースが多々あります。古い情報や既に解決された問題についての質問が残っていると、ユーザーの混乱を招き、FAQページの信頼性を損なう原因となります。定期的な更新と、最新の情報提供は不可欠です。
9. 問い合わせフォームや関連情報への導線がない
FAQだけでは解決できない問題もあります。そのような場合、ユーザーを適切なサポート窓口や関連ページなどの追加情報へ誘導することが重要です。
10. サイト全体のデザインとの統一感がない
FAQページがWebサイトの他のページと大きく異なるデザインやレイアウトを使用していると、ユーザーに違和感を与え、信頼性を損なう可能性があります。サイト全体の統一感を持たせることで、ユーザーは安心してFAQページを利用できます。
成功につながる改善施策
効果的なFAQページを作るための改善施策について、詳しく解説していきます。
1. 情報をカテゴリごとに整理する
FAQの質問と回答を適切にカテゴリ分けすることで、ユーザーは必要な情報を素早く見つけられるようになります。主要なカテゴリを設定し、それぞれのカテゴリ内で関連する質問をグループ化します。さらによく聞かれる質問を上位に配置することで、多くのユーザーが素早く情報を見つけられるようになります。
2. 検索性と視認性を高めるUI設計にする
関連キーワードや同義語での検索を導入するなど、検索精度を高めることで、ユーザーの意図に沿った結果を表示できます。また、よく見られるFAQのランキング表示や、カテゴリごとのタブ切り替えなどのUIを活用し、ページの見やすさと操作性を向上させます。クリック可能な領域を広くし、アイコンを分かりやすくデザインすることで、操作しやすいUIに改善します。
3. 回答内容をユーザー目線でリライトする
専門用語や業界特有の言葉を避け、一般のユーザーにも分かりやすい言葉で回答を書き直します。必要に応じて、専門用語には簡単な説明を付け加えるのも良いでしょう。重要なポイントは太字にしたり、箇条書きを使用したりすることで、視覚的に情報を整理することが大切です。
4. モバイル表示やアクセシビリティにも配慮する
スマートフォンやタブレットからのアクセスを考慮し、レスポンシブデザインを採用します。モバイル画面でも読みやすいフォントサイズや適切な行間を設定し、タッチ操作に最適化されたUIを実装します。また、Webアクセシビリティガイドライン(WCAG)に準拠したデザインを心がけ、視覚障害者や高齢者など、多様なユーザーが利用しやすいFAQページを目指します。
まとめ
効果的なFAQページは、ユーザーの満足度を高め、カスタマーサポートの効率を向上させる強力なツールとなります。本記事で紹介した10の失敗例と改善策を参考に、自社のFAQページを見直してみてください。ユーザー中心のデザインと最新情報の提供が、成功するFAQページの鍵となります。定期的な更新と改善を続けることで、FAQページはユーザーにとって有用な情報源となり、ビジネスの成長にも貢献します。