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コールセンターのテレワーク化は可能?
在宅コールセンターのリスクや対策を解説

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新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレワークやリモートワークを導入する企業が増えています。東京都の調べによると、2021年4月の都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は56.6%です。[注1]

しかし、顧客の個人情報を取り扱い、高い応対品質が求められるコールセンター業界は、テレワークに不向きな業種とされており、あまりテレワーク化が進んでいないのが現状です。そんなコールセンター業界でのテレワーク化は可能なのでしょうか。また、コールセンターのテレワーク導入にはどのような課題やリスクがあるのでしょうか。この記事では、コールセンターのテレワーク化の問題点や課題解決策について、成功事例を紐解きながら詳しく解説します。

[注1] 東京都:テレワーク実施率調査結果をお知らせします!4月の調査結果
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/05/07/10.html

コールセンターのテレワーク化は可能?2020年の導入率は28%

テレワークに不向きといわれているコールセンター業界では、どの程度テレワーク化が進んでいるのでしょうか。一般社団法人日本コールセンター協会の「2020年度コールセンター企業実態調査」によると、コールセンターやコンタクトセンターのうち、在宅テレコミュニケーターが在籍している企業の割合は28%でした。2019年よりも導入率が増加しているものの、業界全体としてテレワーク化が進んでいないのが現状です。[注2]

一方で、2010年代からオペレーター業務の95%をテレワークに代替するなど、コールセンターのテレワーク化に取り組み、成功した企業も存在します。新型コロナウイルスの感染対策や地震や台風などの大規模災害に備えたBCP(事業継続計画)対策の一貫として、コールセンターのテレワーク化は急務です。コールセンターのテレワーク化における課題に対処することで、在宅テレコミュニケーターの割合を増やすことができます。

[注2] 一般社団法人日本コールセンター協会:2020年度コールセンター企業実態調査
https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/outsourcing_research_2020.pdf

コールセンターにおけるBCP対策と顧客対応▶︎  【お役立ち資料】コールセンターにおけるBCP対策と顧客対応

コールセンターをテレワーク化する場合の業務形態は?成功事例を元に解説

コールセンターをテレワーク化する場合、どのような業務形態が考えられるでしょうか。コールセンターのテレワーク化に成功した企業の事例を見てみましょう。

オペレーター業務の95%をテレワーク化することに成功したチューリッヒ保険会社では、新型コロナウイルスの感染対策のため、2020年2月から通信インフラの整備に取り組みました。在宅テレコミュニケーターが通常通りの業務を行うには、PC、インターネット環境、ヘッドセット、コールセンターシステムなど、遠隔でも顧客対応が可能な通信インフラが必要です。また、コールセンターをテレワーク化するといってもすべての業務をテレワークで行うのではなく、業務内容ごとにテレワークの可否を選択する必要があります。旅行ツアー会社のベルトラ株式会社では、在宅テレコミュニケーターのうち9割がメール対応をメインとしており、応対品質の管理やモニタリングが難しい電話対応は1割にとどまっています。

コールセンターをテレワーク化する場合、以下2点が重要になります。

  • クラウドで利用可能な通信インフラの整備
  • 業務内容によるテレワーク可否の切り分け

コールセンターのテレワーク化で考えられる3つのリスク

コールセンター業界でテレワーク化が進まない背景には、応対品質の低下をはじめとしたさまざまなリスクが存在します。コールセンターのテレワーク化に取り組む場合は、次の3つのリスク対策が必要です。

情報漏えいなどのセキュリティリスク

もっとも大きなリスクが、顧客情報の漏えいをはじめとしたセキュリティリスクです。実際に「2020年度コールセンター企業実態調査」で、在宅テレコミュニケーターを採用しない理由として一番回答数が多かったのが、「セキュリティ上の問題(30%)」でした。[注2]

コールセンターオフィスと違い、テレワーク環境では情報セキュリティ対策がオペレーター個人に依存するため、セキュリティリスクを不安視する企業が少なくありません。そこで、「セキュリティ対策を行った端末をオペレーターに貸与する」、「情報セキュリティ教育を実施し、不信を感じたらすぐにスーパーバイザーへ通報する仕組みをつくる」など、テレワーク環境ならではのセキュリティ体制が求められます。

オペレーターの労務管理が困難になるリスク

コールセンターに限ったことではありませんが、管理者の目が行き届かないテレワーク環境では、オペレーターの労務管理や勤怠管理も困難です。オペレーター1人ひとりの働きぶりや勤務態度も見えにくくなるため、人事評価システムも機能不全に陥りやすくなります。テレワーク環境でのコールセンターでは、「Web会議システムを使い、定期的にオペレーターと面談を行う」、「リアルタイムモニタリングを実施し、オペレーターの音声をリアルタイムに確認する」など、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)ツールを駆使することでオペレーターの状況を把握する必要があります。

応対品質が管理できなくなるリスク

テレワーク環境では、オペレーターがスーパーバイザーと物理的に離れて顧客対応を行うため、コミュニケーションが不足し、労務管理だけでなく応対品質の管理も難しくなります。ボイスチャットやテキストチャットでのコミュニケーションの強化や、リアルタイムモニタリングによる監視といった解決策のほか、ネットプロモータースコア(NPS)を品質管理に活用する企業も存在します。たとえば、ベルトラ株式会社ではサポートセンターへの評価を集計するトランザクショナルNPSを週次で実施し、オペレーターの顧客対応をスコア化して品質管理指標にしています。

コールセンターのテレワーク化を進める際のポイント3つ


コールセンターのテレワーク化の課題を整理したうえで、ツールの導入や運用ルールの整備を行いましょう。コールセンターのテレワーク化を進める際のポイントは3つあります。

クラウド型のコールセンターシステムを導入する

コールセンターのテレワーク化には、クラウド型のコールセンターシステムが必要です。クラウド型のコールセンターシステムなら、インターネット環境さえあればオフィス以外からも利用でき、テレワーク環境でも応対品質の低下を防げます。問い合わせ記録の管理や、メールやチャット、SNSなどでの顧客対応もワンストップで実現できるため、テレワークでもコールセンターオフィスとほぼ同等の業務が可能です。

ナレッジ共有システムを導入する

コールセンターでナレッジ共有システムを導入し、よくある問い合わせやナレッジ蓄積を行うのも一つです。そうすることで、ナレッジ共有システムを参照しながらオペレーターが問い合わせ対応を行うことができるため、応対品質の向上や問い合わせ対応の負担軽減にもつなげることができます。

コールセンターの機能に合わせてテレワークの可否を選ぶ

コールセンターの規模によっては、オペレーター全員にテレワークを導入するのが難しいケースもあります。その場合は、オペレーターの担当する業務やコールセンターの機能によってテレワークの可否を選び、柔軟にテレワーク実施計画を立てましょう。たとえば、顧客からの問い合わせに対応するインバウンドよりも、顧客に電話を掛けるアウトバウンドの方が、オペレーターが好きなタイミングで働くことができるため、テレワークでのコールセンター業務に向いています。テレワークを導入する前にコールセンター業務の棚卸しを行い、どの業務をテレワーク化するかを決定しましょう。

【まとめ】

コールセンターはテレワーク化できる!ポイントはリスク対策とツール活用

コールセンターはテレワークに不向きな業種とされています。しかし、セキュリティリスクや労務管理、応対品質管理の課題を解決することで、十分にテレワーク化が可能な業種です。コールセンターのテレワーク化を進める際は、クラウド型のコールセンターシステムをはじめとしたICT環境の整備やナレッジ共有システムの導入に取り組みましょう。また、コールセンター業務の棚卸しを行い、テレワーク化する業務としない業務を切り分けることで、テレワーク実施計画が立てやすくなります。

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