コールセンタースタッフの離職率増加が、コールセンター運営の大きな課題となっています。早期離職を防ぐには、スタッフが入社後に感じる「ギャップ」について知り、組織文化・ITツールの両面から離職防止対策を実施する必要があります。
この記事では、コールセンターの離職率を下げる重要性や対策を解説していきます。
目次
コールセンターの離職率は?早期離職が大幅に増加
コールセンタージャパンの調べによると、2013年の前回調査と比べて、コールセンターオペレーターの早期離職率が大幅に増加しています。全体の22.0%の企業で、入社1年以内に退職したオペレーターの割合が71%を超えました。離職率51%~70%の企業は全体の18.5%、離職率31~50%でも全体の15.1%と、雇用したオペレーターの大半が早期離職に至っているのが現状です。[注1]
[注1]コールセンター・ジャパン・ドットコム:早期離職を防ぐ「最初の90日」の乗り越え方
https://callcenter-japan.com/magazine/3838.html
コールセンターオペレーターの代表的な5つの離職理由
これほど多くのコールセンタースタッフが早期離職する理由は、入社後に下記のような5つの「ギャップ」を感じるからです。
- 専門用語や機器操作など入社してから覚えることが多い
- 研修やOJTなど入社後のサポートが不十分
- 契約数・アポイント件数といったノルマが厳しい
- 担当上司によっていっていることが食い違う
- 顧客との長時間通話やクレーム対応による想像以上のストレス
スタッフの早期離職を防ぐには、この5つのミスマッチをなくし、伸び伸びと働ける職場環境づくりに取り組む必要があります。職場環境を改善することで、スタッフのロイヤルティ(忠誠心、自社への愛着)を高め、人材を定着させられます。
コールセンターの離職率を下げる5つのメリット
コールセンターの離職率を下げることで、早期離職による運営リスクを下げ、生産性を高めることが可能です。
具体的なメリットを5つご紹介します。
- 業務に不慣れなスタッフの割合を抑えられ、生産性が低下しない
- 優秀なスタッフを引き止められ、お客様対応の精度が落ちない
- 退職者の引き継ぎやマネジメントにかかるコストを減らせる
- 新規スタッフを補充する必要がなく、採用コストを減らせる
- 新人教育にかかる現場の手間や負担を減らせる
優秀なオペレーターを引き止める(=リテンション)することで、現場の生産性を維持し、きめ細やかなカスタマーサービスを展開できます。また、中途採用や新人研修などにかかる経費を削減でき、コストコントロールにもつながります。まず離職率を下げることが、円滑なコールセンター運営に向けた第一歩です。
コールセンタースタッフの離職を防ぐ2つの対策
それでは、どうすればオペレーターの早期離職を防ぎ、人材を引き止められるのでしょうか。
コールセンタースタッフの離職を防ぐ2つの対策をご紹介します。
1. 職場環境を改善し、既存社員を大切にする組織風土改革を行う
まずは「採用」ではなく「定着」を重視し、既存社員を大切にする職場環境づくりを実施しましょう。
- 初期のスタッフ育成過程で、新人への研修やフォローを強化する
- マニュアルやワークフローを整備し、管理職や先輩社員によって「いっていることが違う」状態をなくす
- 社員同士が助け合う組織風土を醸成し、新人スタッフのメンタルケアを行う
- ノルマを改定し、スキル向上に伴って達成できるやりがいのある目標を設定する
オペレーターの早期離職を防ぐには、入社後の「ギャップ」に着目し、新人スタッフがミスマッチを感じずに働ける職場環境づくりをする必要があります。
2. ナレッジ共有システムを活用し、入社後のスキルアップを加速させる
コールセンタースタッフが感じる「入社してから覚えることが多い」というギャップに対応するには、ナレッジ共有システムが便利です。
ITツールで専門用語や機器操作などを共有すれば、新入社員のスキルアップがスピードアップし、入社後のストレスを軽減できます。コールセンター業務の生産性も大幅に向上するため、ITツールの導入を検討しましょう。
【まとめ】
ナレッジ共有システムを導入・活用し、スタッフの離職率低下を実現
ナレッジ共有システムを活用すると、コールセンター業務につきものの専門用語や機器操作をFAQ形式で見やすくまとめ、社内での迅速なナレッジ共有が可能です。新入社員の多くは「入社してから覚えることが多い」「入社後のサポートが不十分」という悩みを持っています。ナレッジ共有システムで、新入社員のスキルアップをサポートしましょう。