コールセンターは業務量が多く、忙しい業種だといわれています。しかし、コールセンターへの入電数は、時間帯や曜日によって変動します。そのため、コールセンターが忙しくなる原因を知り、対策を考えることが大切です。本記事では、コールセンターが忙しくなる原因や入電数が増える時間帯、コールセンターの業務効率化を実現するコツをわかりやすく解説します。
目次
コールセンターは忙しい?
コールセンターの1日あたりの業務量は、実は時間帯によって波があります。また、曜日や月単位でも、コールセンターの入電数は変動します。コールセンターは忙しい業界だといわれますが、電話が1日中鳴り止まず、次から次へと電話がかかってくるようなケースはほとんどありません。ここでは、コールセンターが忙しくなる時間帯や曜日のほか、業種による忙しさの違いを簡単に解説します。
コールセンターが忙しくなる時間帯
コールセンターの受電数は1日の中でも、時間帯によって変わります。1日のコールセンターの受電数には3つのピークがあります。
- 営業開始直後から昼ごろまでの時間帯
- 昼休みやランチタイムの時間帯
- 夕方から営業終了直前までの時間帯
コールセンターへの問い合わせがもっとも多くなるのは、営業開始直後から昼ごろまでの時間帯です。具体的には、午前9時から11時までの時間帯が、コールセンターの業務量が増える最初のピークとされています。コールセンターの受電数は、午後になるとやや減少する傾向にあります。しかし、学生や働いている人が昼休みを利用して問い合わせを行うため、昼休みやランチタイムの時間帯は受電数がやや増加します。
最後のピークは、夕方から営業終了直前にかけての時間帯です。とくにコールセンターの営業終了時間が近づくと、駆け込みの問い合わせが増加します。
コールセンターの入電数が増える曜日
コールセンターの入電数が増える曜日は、休み明けの月曜日です。コールセンターが休止していた土日分の問い合わせが週明けの月曜日に集中する傾向にあります。同様に、振替休日がある場合は翌営業日の入電数が増加します。また、コール センターの入電数を月単位でみると、月初めの問い合わせ件数がやや多くなる傾向にあります。
コールセンターの業種による忙しさの違い
コールセンターといっても、携帯電話キャリアの受付、テレビ通販の受付、事故受付やロードサービスの受付など、さまざまな業種があります。コールセンターの業種ごとの入電数 の違いを見てみましょう。
業種 | 1時間当たりの入電数の目安 | 1日当たりの入電数の目安 |
携帯電話キャリアの受付 | 5~6本 | 40~50本 |
テレビ通販の受付 | 4~5本 | 30~40本 |
クレジットカード会社の受付 | 4~5本 | 30~40本 |
ロードサービスの受付 | 4~5本 | 20~30本 |
事故受付 | 3~4本 | 20~30本 |
コールセンターにもよりますが、1日当たりの入電数がもっとも少ない傾向にあるのは、事故受付やロードサービスの受付です。一方、携帯電話キャリアの受付は1日当たりの入電数が40~50本と多く、もっとも忙しい業種となっています。ただし、テレビ通販の受付のように、通販番組の放映直後に問い合わせが集中し、時間帯ごとの入電数にバラつきがある業種も存在します。
コールセンターが忙しくなる原因
コールセンターが忙しくなる原因の一つが、前の項目で取り上げた入電数の多さです。入電数に対してオペレーターの人数が足りていないと、オペレーター1人当たりの業務負担が増加します。しかし、コールセンターが忙しい原因は他にもあります。「1件当たりの応対時間が長くなっていないか」、「似たような問い合わせが多くなっていないか」の2点に着目しましょう。
オペレーターが足りない
コールセンターは離職率が高く、慢性的な人手不足に苦しむ業界の1つです。オペレーターの人数が不足している場合は応答率が低くなり、顧客からの問い合わせをさばききれず、忙しい状態に陥ります。前述のとおり、コールセンターへの入電数は時間帯や曜日によって変動します。入電数が多くなる時間帯は、通常よりも多くのオペレーターを確保する必要があります。
1件当たりの応対時間が長い
入電数が多いからといって、コールセンターが忙しくなるとは限りません。業務効率化に成功し、1件当たりの応対時間が短いコールセンターの場合、入電数が多くてもオペレーターが対応できています。1件当たりの応対時間が長いオペレーターには、以下のような共通点があります。
- 応対中にムダな話が多い
- オペレーターの説明が顧客に伝わっていない
- 問い合わせ内容がオペレーターのスキルに合っていない
応対時間を短縮する方法として、トークスクリプト(受け答えの台本)の見直しや、オペレーターのコールフロー(顧客からの入電の振り分け)の改善などが挙げられます。オペレーターの人員を増やすことが難しい場合は、オペレーターの応対時間の短縮に取り組み、キビキビとした対応を徹底してもらいましょう。
似たような問い合わせが多い
似たような内容の問い合わせが多い場合や、同じ顧客から繰り返し問い合わせがある場合は、コールセンター業務を効率化する余地があります。過去の問い合わせ履歴を保管し、対応パターンをいくつか準備しておきましょう。そのためには、コールセンター内で円滑に情報共有を行う仕組みが必要です。
コールセンターの忙しさを解決するコツ
コールセンターの忙しさを解決するコツは、「電話以外の問い合わせチャネルを用意し、コールセンターへの入電数を減らす」点にあります。そのために役立つのが、FAQ管理システムやチャットボットをはじめとしたデジタルツールです。
- FAQ管理システムを導入する
- チャットボットを活用する
- IVRでオペレーターの負荷を調節する
FAQとは、顧客からのよくある問い合わせをQ&A形式で公開したページを指します。FAQページを公開すれば、似たような問い合わせが減り、オペレーターの業務負担を軽減できます。同様に、チャットボットも問い合わせ件数の削減が期待できます。チャットボットは自動会話プログラムの一種です。あらかじめ問い合わせのシナリオを作成しておくことで、顧客からの質問に自動で回答します。自社サイトにFAQページやチャットボットを設置すれば、顧客の自己解決を促進し、問い合わせ件数を減らせます。
また、IVR(自動応答システム)のように、オペレーターの負担を分散させるためのツール導入も検討しましょう。IVRを導入すれば、オペレーターの経験やスキルに合わせて、顧客からの問い合わせを自動で振り分けられます。オペレーターのスキルに合わない問い合わせが減るため、1件当たりの応対時間を短縮できます。
【まとめ】
コールセンターが忙しくなる原因を知り、デジタルツールの活用を
コールセンターが忙しくなる原因は、大きく分けて「オペレーターが足りない」、「1件当たりの応対時間が長い」、「似たような問い合わせが多い」の3つが挙げられます。コールセンターの課題を解決するためには、FAQ管理システムやチャットボットを導入し、コールセンターへの問い合わせ件数を減らすことが大切です。また、IVR(自動応答システム)を導入し、オペレーターの経験やスキルに合わせて電話を振り分けることで、コールセンター業務を効率化できます。コールセンターが忙しくなる原因を知り、デジタルツールの活用を検討しましょう。