業務効率化の一環として、社内マニュアルや社内FAQを用意する企業が増えてきました。たとえば、パソコンやソフトウェアの使い方、社内システムのトラブル対応をよくある質問(FAQ)として整理すれば、社員からの問い合わせが減り、情報システム部門がその他の業務に集中できます。また、バックオフィス業務をはじめとした定型業務をマニュアル化し、冗長な作業をカットすれば、業務のムダを大幅に減らすことが可能です。マニュアル化やFAQ化はどちらも業務効率化の心強い味方です。マニュアル化とFAQ化の違いやメリット、導入時や運用管理の課題を踏まえて業務効率化に取り組みましょう。
目次
マニュアル化とFAQ化の違いは?両方のいいとこ取りをしましょう
業務効率化の心強い味方となる「マニュアル化」と「FAQ化」ですが、それぞれ活躍するビジネスシーンが異なります。マニュアルを作成する目的の多くは、誰でも同じ手順や効率で作業、業務できるようにするためです。新入社員や中途社員、異動による後任担当者などの業務に不慣れな人材をいち早く即戦力化(オンボーディング)したり、バックオフィス業務などのワークフローが長期的に変化しづらい定型業務を効率化する際に役立つのがマニュアル化です。
一方、FAQ化とは、日々多く寄せられる問い合わせをよくある質問(FAQ)の形式で整理し、社内ナレッジとして共有することを意味します。手順や効率などが記載されたマニュアルとは異なり、業務を進めるうえでの疑問や悩みなどに答えるのがFAQの役目です。たとえば、社員からの問い合わせが多い社内ヘルプデスクや情報システム部門の業務負担軽減に役立ちます。また、日々顧客対応を行っているコールセンターやコンタクトセンターでも、対応に関するナレッジやノウハウがFAQ化されていれば、オペレーション削減や問題解決までのリードタイム短縮など、業務効率の向上につながります。マニュアル化やFAQ化がそれぞれ強みを発揮する場面を知り、両者のいいとこ取りをすることが大切です。
マニュアル化やFAQ化を行う2つのメリット
マニュアル化やFAQ化を行うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。この2つに共通したメリットが「自己解決の促進」です。定型業務のマニュアル化や、問い合わせが多い内容のFAQ化により、社員が疑問や悩みをその場で自己解決できるようになります。結果として、業務効率の向上や業務の属人化防止といったメリットが得られます。
業務品質を均一化し、効率アップ
社内マニュアルや社内FAQを作成し、社員が業務上の疑問を自己解決できるようにすることで、ムダな質問や問い合わせが減り、業務効率が改善します。とくに検索性が高く、最新の情報が掲載されたFAQを作成することで、社内ナレッジとして共有され、質問しなくても業務を推進することができます。また、定型業務のマニュアル化に取り組み既存の業務フローを見直すことで、業務品質の均一化につながります。新入社員や中途社員、異動による後任担当者などの業務に不慣れな人材であっても、マニュアルを参照することで即戦力化することが可能です。
業務の属人化を防ぎ、特定の人への依存度を減らす
社員一人ひとりが持つノウハウをマニュアル化やFAQ化することで、業務の属人化を防止できます。業務の属人化とは、特定の担当者が同じ業務を担当しつづけることで、業務に必要なスキルやノウハウが共有されず、ブラックボックス化してしまう状態を意味します。属人化が進むと、担当者が退職したり他部署に異動した際に、業務が滞り品質が低下してしまううえ、引き継ぎなどの負担も大きくなってしまいます。業務の属人化を防ぐには、業務内容の標準化を行い、担当者以外でもやり方や進め方を理解できる仕組みをつくることが大切です。社内マニュアルや社内FAQを作成することで、業務に必要なナレッジが社内で共有されるため、業務の属人化を防ぎ、特定の人に依存しない強固なチームづくりが可能です。
マニュアル化やFAQ化の課題は?導入や運用管理の2つの対策
マニュアル化やFAQ化にはメリットがある一方で、いくつか生じやすい課題もあります。マニュアルやFAQはあるものの、「定型業務を効率化できない」、「社員からの問い合わせが減らない」という企業が少なくありません。業務効率の改善や問い合わせの削減につなげるためには、マニュアル化やFAQ化に潜む課題を知り、以下のような対策に取り組むことが大切です。
形だけのマニュアルやFAQになってしまい、期待した効果が得られない
社内マニュアルや社内FAQを作成したにもかかわらず、期待した効果が得られない原因の多くは、マニュアルやFAQが利用する社員の本当のニーズに合致せず、形骸化しているケースです。マニュアルやFAQを作成するときは、まず現場の社員にヒアリングを行い、標準化が求められる業務や、問い合わせが多く寄せられる疑問やトラブルなどを抽出することが大切です。また、マニュアルやFAQを作成したあとも定期的に現場の声を収集し、コンテンツを改良していくことで、使えるマニュアルやFAQとなり、業務効率化を実現できます。
時間をかけて作成したのに、なかなか利用されていない
せっかく時間をかけてマニュアルやFAQを作成したのに、思ったよりも利用されていないというケースもあります。マニュアルやFAQは作成したら終わりではなく、多くの社員にコンテンツを利用してもらえるよう周知を徹底することも大切です。たとえば、社内イントラネットやグループウェアの目につく場所にリンクを設置したり、対象となる社員にメールで告知したりして、マニュアルやFAQの存在を社内に知らせましょう。マニュアルやFAQを周知し、コンテンツの導線を改善することで、利用促進につながります。
マニュアルやFAQの運用ポイントはITツールの活用
社内マニュアルや社内FAQを作成し、運用していくには手間や時間がかかります。とくに社員数が少ない中小企業では、情報システム部門が存在せず、運用やメンテナンスまで手が回らないケースも少なくありません。WordやExcel、PowerPointなどで内製しているケースもありますが、効果を高めるには限界があります。そこで役に立つのが、マニュアルやFAQの運用管理に特化したITツールの活用です。
たとえば、社内マニュアルを作成する場合は、「マニュアル作成ツール」が役に立ちます。マニュアル作成ツールとは、豊富なテンプレートを活用し、マニュアルや業務フローの作成を自動化できるITツールです。社内マニュアルを運用している企業は、マニュアル作成ツールを導入することで、作業工数を大きく削減することが可能です。
また、社内FAQの作成や管理には、「FAQ管理システム」がおすすめです。FAQ管理システムなら、HTMLの知識がない担当者でも、直感的に操作できるエディタ機能で簡単にFAQを作成することができます。自然文検索やサジェスト機能などの検索機能も豊富で、分析レポートなどの機能も備わっているため、社員の自己解決率を高めることも可能です。マニュアルやFAQの運用管理なら、ITツールの導入を検討しましょう。
【まとめ】
マニュアル化やFAQ化は業務効率化の鍵!運用にお困りの場合はITツールの導入を
業務効率化に取り組む企業の多くが、社内マニュアルや社内FAQを用いています。社内マニュアルは定型業務の効率化、社内FAQは社内ヘルプデスク業務や情報システム部門、顧客からの問い合わせ業務の効率化に役立つという違いがあります。マニュアル化やFAQ化によくある課題として、「期待した効果が得られない」、「作成したのに利用されていない」の2点があります。マニュアルやFAQの運用には、マニュアル作成ツールやFAQ管理システムの導入がおすすめです。