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ナレッジマネジメントとは?その重要性や手法を詳しく紹介

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ナレッジマネジメントとは?

「ナレッジマネジメント(Knowledge Management)」とは、社員が持つ知見やノウハウを集約し、社内全体に共有して活用するマネジメント手法です。IT技術の発達にともない、さまざまな情報共有ツールが開発されたことから、近年ナレッジマネジメントを取り入れる企業が増えています。なぜ、ナレッジマネジメントが重要なのでしょうか。また、ナレッジマネジメントには、どのような手法があるのでしょうか。この記事では、ナレッジマネジメントの基本や重要性、社内でナレッジ共有を促進する方法について、わかりやすく解説していきます。

ナレッジマネジメントとは?「暗黙知」を「形式知」化し、社内全体に共有

ナレッジマネジメントとは?その重要性や手法を詳しく紹介

ナレッジマネジメントとは、一言でいえば「暗黙知」を「形式知」化し、社内全体に共有するマネジメント手法を指します。ここでは、ナレッジマネジメントを理解するうえで重要な暗黙知と形式知、SECIモデルについて解説します。

「暗黙知を形式知化して共有する」のがナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントは、創造的な仕事やイノベーションを行うには、社員一人ひとりが持つ知見やノウハウが重要だとする「知識経営」の考え方に基づいています。社員が持つ知見やノウハウには、暗黙知と形式知の2種類があります。

 

暗黙知 勘・コツに代表されるような個人の経験に基づく知識やノウハウ
まだ資料化やマニュアル化されていない知識など
形式知 言葉で表現することができ、仕様書やマニュアルといった形で言語化できる/されている知識やノウハウ

 

暗黙知は社員個人の経験と紐付くため、言語化が難しく、「知識」として共有するのが困難です。「見て学ぶ」「実際にやって見せる」など、暗黙知はこれまで狭い範囲での知識伝承に限られ、知見やノウハウを広く活かせませんでした。一方、言語化でき他人と共有しやすいのが「形式知」です。ナレッジマネジメントでは、IT技術を活かしたナレッジ共有サービスなどを活用し、この暗黙知を形式知化することで、知見やノウハウを社内全体で共有することを目指します。

ナレッジマネジメントの基本は「SECIモデル」

ナレッジマネジメントの基本は、「SECIモデル」と呼ばれる思考フレームワークに基づいています。SECIモデルは以下の4つのステップから成り立っています。

 

共同化
(Socialization)
社員一人ひとりが持つ暗黙知を、同じ体験の共有によって社内全体に広げていく
表出化
(Externalization)
暗黙知を形式知化し、言葉・文章・図・数字・データなどで表現する
連結化
(Combination)
新たに獲得した形式知を既存の形式知と組み合わせ、活用の幅を広げる
内面化
(Internalization)
形式知を内面化し、ふたたび暗黙知として取り入れ、日々の業務に活かす

 

SECIモデルは一言でいうと、暗黙知を形式知に変換し、ふたたび暗黙知として内面化して、日々の業務へ活かすためのフレームワークです。暗黙知を形式知化し共有するのに役に立つのがナレッジ共有システムです。ナレッジ共有サービスには、FAQシステムやチャットボット、社内Wiki、社内SNS、オンラインストレージサービスなどがあります。こうした情報共有ツールを社員一人ひとりが使い、自らの知見やノウハウを蓄積することで、暗黙知を形式知化し、社内全体に広げていくことが可能です。

ナレッジマネジメントはなぜ重要なのか?注目を集める2つの理由

ナレッジマネジメントは、なぜ大きな注目を集めているのでしょうか。今、多くの企業がナレッジマネジメントを取り入れている2つの理由を解説します。

暗黙知の自然な継承には限界がある

これまで、企業は「見て学ぶ」「実際にやって見せる」など、暗黙知の自然な継承によって、知見やノウハウを共有してきました。しかし、急速なグローバル化の進行や、IT技術の発達による新たなビジネスモデルの台頭におり、従来の知識伝承では加速するビジネススピードに対応できなくなりました。また、日本型の終身雇用制度が崩壊し、人材の流動性が高まったことも従来の手法の限界点を露呈させました。転職市場が活発化し、待遇改善やキャリアアップを求めて他社へ出て行く社員も少なくなく、個人が持つ知見やノウハウを社内に蓄積しづらくなりました。そのため、暗黙知を形式知化し、だれでも利用できる形で蓄積・共有することを目指すナレッジマネジメントの重要性が高まりつつあります。

「業務の属人化」が企業の大きな課題に

「業務の属人化」も企業の大きな課題の1つです。特定の社員しか知らない・対応できない業務が多いと、担当者がいなくなったときに代替要員が対応できず、業務を滞らせる原因になってしまいます。また、担当者以外の目が届かない情報の不透明性を利用し、内部不正が発生しかねないという側面もあります。こうした「業務の属人化」を解消するため、ナレッジマネジメントを実施し、業務に欠かせない知見やノウハウを広く共有しようとする企業が増えています。

ナレッジマネジメントのおすすめな手法2つ

ナレッジマネジメントを行う上で、どういった手法が有効なのでしょうか。社員が持つ知見やノウハウをデータベース化し、すばやく共有するためには、IT技術を活用したナレッジ共有サービスの利用がおすすめです。ここでは、ナレッジマネジメントに役立つ2つのナレッジ共有サービスを解説します。

社内SNSやグループウェアで、コミュニケーションを活発化させる

社員間での情報共有に優れているのが、社内SNSやグループウェアといったコミュニケーションツールです。社員同士のやりとりを通じて、業務に必要な知見やノウハウ、ワークフロー、スケジュール、成功事例・失敗事例などを部署の垣根を越えて共有できます。また、社内SNSやグループウェアを通じて、社内コミュニケーションを活発化させ、社員が進んでナレッジ共有を行う組織風土づくりも可能です。

FAQ管理システムを導入し、ナレッジをFAQ形式で蓄積・共有する

知見やノウハウを体系化し、社員がいつでもどこでも利用できるようにするのが、FAQ管理サービスです。FAQ管理システムとは、「よくある質問(FAQ)」をQ&A形式でまとめ、社員が自分で探したり検索したりできるようにしたツールを指します。ナレッジの一元管理が目的の場合は、コミュニケーションツールよりも、FAQ管理システムがおすすめです。FAQ管理システムのメリットとして、ナレッジマネジメントの効果測定が容易な点も挙げられます。FAQ管理システムは、FAQコンテンツの閲覧履歴や検索キーワードなどを活用し、「どのFAQコンテンツがよく見られているか」「社員はどんな疑問や悩みを持っているか」を分析できます。分析結果をもとにFAQコンテンツを改善し、さらに効果的なナレッジマネジメントを実施することが可能です。

【まとめ】

ナレッジマネジメントを実行し、知見やノウハウを社内全体で共有しよう

ナレッジマネジメントを実行することで、社員が持つ知見やノウハウを社内全体で共有し、事業改革やイノベーションを実現できます。急速なグローバル化の進行や、人材の流動性の高まりにより、従来の手法では知見やノウハウの共有が困難になりました。FAQ管理サービスをはじめとしたナレッジ共有システムを導入し、ITツールを活用したナレッジマネジメントに取り組むことが大切です。

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