コミュペディア

ビジネスのあらゆるコミュニケーションを支援するメディア

生成AIをビジネスに活かすアイデアと活用事例

  • 関連記事


ChatGPTをはじめとする生成AIの爆発的人気は、ビジネスにおけるAIの活用において新たな分岐点となりました。誰もがこの創造性の高い技術の可能性を実感できるようになったのではないでしょうか。
生成AIの技術を活用するようになると、新たに人がおこなうタスクが発生することも予測されますが、さまざまなビジネス、医療、福祉、公共機関、そして社会全体にいたるまであらゆるものに変革をもたらし、前向きな影響を与えると考えられています。今回は、生成AIをビジネスに活かすアイデアと活用事例についてご案内します。

生成AIをビジネスに活用する利点

現在、ビジネスの現場では生成AIを活用し、仕事の進め方を再構築することが求められています。人が達成できることが劇的に増加し、多くの役割が再構築される可能性があります。ただし影響を与えるのは、あくまでもタスクです。自動化と支援によって変容するものもあれば、影響を受けないものもあります。

生成AIをビジネスに活用する利点として、大きく分けて3つのことがあげられます。

1つ目としては、誰でも比較的簡単に利用できるようになっています。これまで専門的な知識やスキルが必要だった業務にも、生成AIを活用することが可能になりました。

2つ目としては、作業の効率化、コストの抑制、人手不足の解消など業務効率化です。生成AIは、膨大なデータの中から必要な情報の抽出やテキスト、画像、動画などのさまざまな形式のコンテンツを自動生成することができます。これにより、新たな業務や注力すべき業務に時間を確保することができ、コストの抑制や生産性の向上をはじめ、企業が抱える人手不足の解消という課題を解決することができます。

3つ目としては、アイデア創出のヒントとしての活用です。生成AIは、大量のデータからパターンを学習し、そこから新たな発想を生み出すことができます。人間の想像力を超えた新たなアイデアを創出することが可能になり、これまでにない革新的な商品などを開発しやすくなります。

それでは、具体的に生成AIをビジネスにどう活用したらいいのか、そのヒントをいくつかご紹介します。

ルーティンの中から煩わしい作業を洗い出す

毎日の生活や業務のルーティンにはさまざまな煩わしい作業があるはずです。それを少しでも解決するためにAIを活用できないか。こんな身近なことからアイデアが生まれることがあります。自分がその作業に理解があればあるほど新たなアイデアを見つけやすくなります。
たとえば、以下の中から身近な煩わしい作業を解決するアイデアのヒントはないでしょうか。

1.つなぎ合わせる(結びつける)

最初に考えられることは『課題』と『解決方法』をつなぎ合わせることです。需要と供給を結びつけることは、ビジネスの原点です。まずは『課題』を確認することから始め、その『解決方法』をさまざまなアプローチから考えていきます。すでに存在する『課題』であっても、これまで組み合わせたことがない『解決方法』であれば、それは新たな創造的なアイデアになる可能性があります。

2.工程を減らす

生成AIを活用した工程削減は、さまざまな企業で導入が進んでいます。データ入力、ドキュメント作成、プログラミングなど、従来は人がおこなっていた作業を生成AIを活用することで、タスクの削減につながっています。

3.自動化(無人化)

企業にとって人手不足は大きな課題です。生成AIを活用した自動化や無人化はニーズが高い領域と言えるのではないでしょうか。ニーズの大きい課題に対して部分的でも対応していくことが大切になります。

4.一人ひとりに適したものを提供する

現在ではユーザーの好みの多様化が進み、個々で好みを選べるようなサービスが望まれています。ユーザーの嗜好を分析するためのデータがキーになり、これまでのレコメンド以外によるユーザーが本当にほしい機能なのかを考えてみることも必要です。

5.シェアリング

シェアリングで思いつくのは、カーシェア、サイクルシェア、ライドシェアなどがありますが、身近な業務にもシェアリングに関することがあります。たとえば、ナレッジシェアリング、ワークシェアリングなどがあげられます。ナレッジシェアリングでは、ドキュメントをAIを利用して解析や検索の行動データを元に検索結果を表示、ワークシェアリングでは、業務の見える化に対しAIを活用するなどがあります。このように、モノ・サービス・場所などの他にもさまざまな人と共有することの中に、アイデアのヒントを見つけられるかもしれません。

6.古い習慣をやめる

今やペーパーレスは当たり前になってきていますが、このようなドキュメントのデジタル化が遅れている領域や、紙ベースの方式が長く踏襲されている業務など、効率化できる分野はまだまだあるはずです。業務の移行、過去の資産を新しくすることでコストなどをどうするかが課題になることがありますが、古い習慣に縛られず、便利になることを一度ゼロベースで考えてみるというのはいかがでしょうか。

【2024年】生成AIの動向および活用事例

生成AIによって、従来は実現できなかったような新しいアイデアの創出や既存ビジネスの変革など、新たなアプローチがおこなわれています。2024年の生成AIに関する動向および具体的な活用事例をいくつかご紹介します。

1.【動向】国産大規模言語モデル(LLM)の提供開始

2024年3月、NTTは独自開発した国産大規模言語モデル「tsuzumi(つづみ)」の提供を開始。業務効率化やDX推進をめざす企業を対象に、超軽量の特長を活かし、LLM運用時に必要となる学習や推論コストの低減を追求していきたいとしています。

▶︎ 【ASCII.jp】軽さを誇るNTTのLLM「tsuzumi」開始 オンプレ利用の声に応える

2.【動向】生成AIの業界団体が発足

2024年1月、生成AI活用を推進する産学連携の業界団体「Generative AI Japan(略称「GenAI」)」が発足。GenAIでは、生成AI活用における教育やキャリア、協業、共創、ルール作り、提言を行い、日本全体の産業競争力を高めることを目指すとしています。

▶︎ 【読売新聞オンライン】生成AI利活用や政策提言を議論、一般社団法人が発足…代表理事に宮田裕章・慶大教授

3.【活用事例】北海道 上士幌町、AI車掌の運用を開始

北海道上士幌町では、全国の自治体で初めて最先端のAI車掌の運用を開始。自動運転バスが運行されている上士幌町では現在安全を確認するオペレーターが乗車していますが、将来的には完全な無人運転での運用を目標としており、車内で会話の機会が減ってしまう自動運転バスにおいて、AIの音声認識システムを利用し、バス停や観光名所の案内に加えて、日常会話などにも対応。乗客の不安感を取り除き、車内コミュニケーションの活性化を目的に導入されています。

▶︎ 【読売新聞オンライン】音声認識して乗客と会話、車内アナウンスも…上士幌町の自動運転バスに「AI車掌」導入

4.【活用事例】ベネッセ、生成AIを利用しサイト制作期間を短縮

ベネッセホールディングスは、生成AIとノーコードツールの導入により、Web制作業務の効率化を実現しています。
効率化の具体的な例としては、ライティング業務の自動化。短納期かつクオリティを担保したコピー開発が容易になり、作業工数を大幅削減したようです。本年度中には段階的に新体制への移行を開始し、2024年度以降は、すべての既存Webサイトにおいてプロセスを全面変革する予定となっています。

▶︎ 【ITmedia】生成AIでWebサイト制作を8週間→3週間に短縮 ベネッセ、業務効率化でコスト4割減に成功

5.【活用事例】TOPPAN、生成AIでプログラム開発を効率化

TOPPANホールディングスは、生成AIで社内システムのプログラム開発業務を効率化したと発表。同社では、社内システムのプログラミング要約とコード作成をおこなうという実証実験を実施し、開発に費やす時間を生成AIの導入前と比べた結果、業務時間の短縮を確認したということです。今後は、業務特化型LLMの生成AIを国内外システムのプログラミング支援に役立て、既存のレガシーシステム対応を含めた社内全体システムの開発保守で工数削減に取り組むとしています。

▶︎【ITmedia】TOPPAN、生成AI活用でシステム開発期間を最大70%短縮

6.【活用事例】LINEオープンチャット、生成AIで見逃したメッセージを要約

LINEオープンチャットでは、OpenAIの生成AIを利用し、トークルーム内のメッセージのやり取りを自動で要約する新機能の提供を開始。オープンチャットへの参加ユーザーが増え、トークルーム内の投稿が増えたことで、メッセージを見逃してしまうというユーザーのために、生成AIによるメッセージ要約機能を実装。会話内容をより早く把握することができ、会話に参加しやすくなるとしています。

▶︎ 【ASCII.jp】LINEオープンチャット、見逃したメッセージを生成AIが要約する新機能

7.【活用事例】JR西日本、生成AIを活用し働き方改革を推進

JR西日本では、「もっとつながる。未来が動き出す。」という志を実現するため、生成AIを活用した働き方改革に取り組んでいます。具体的には、社内向けチャットボットサービスの展開や生成AI環境の整備などに生成AIを活用。社員の業務効率化と品質向上を目指しています。この他、相談窓口での問い合わせ記録の要約業務をAIを活用して効率化するプロジェクトも発表。手作業の負担軽減と顧客対応の品質向上が期待されています。

▶︎ 【産経新聞】最大54%時短 お客様センターの業務に生成AI導入

8.【活用事例】パルコ、最新の生成AI技術を駆使したキャンペーン広告

パルコでは、最先端の生成AI技術を駆使したキャンペーン広告を制作し特設サイトで公開しています。これまでの広告と異なり、実在するモデルは使われておらず、プロンプト(画像を生成するためのテキスト)だけで構成し作成されています。まさに新しい時代を映し出す最先端の広告であり、今後こうした分野の広告やCMが増えていくことが期待されます。

▶︎ 【繊研新聞】パルコ 生成AIで広告キャンペーン

【まとめ】効率的な情報収集にはニュース配信サービスがおすすめ

今回ご紹介した「生成AIの動向および活用事例」はごく一部の事例になります。生成AIの技術は日進月歩しており、その情報を常にアップデートをするためには、効率的な情報収集をすることが大切になります。
このたび、ニュース配信サービス「法人ニュースサービス」では、新たに「生成AI」に関するニュースの配信を始めました。
「ChatGPT」「Gemini」などの対話型AI、 画像生成AI、動画生成AI に関する導入事例、活用方法、規制などの情報になります。現在、「法人ニュースサービス」では2週間無料トライアルをおこなっています。この機会にぜひお申し込みください。

▶︎ 気になるニュースを毎朝メールでお届けします!法人ニュースサービスとは

▶︎ 2週間無料トライアルのお申し込みはこちら

この記事のご感想をお聞かせください

*は必須入力項目です。