施設予約システムとは、各自治体が管理している公共施設の予約や管理をオンライン上で行うことができるシステムです。施設予約システムを導入するときは、機能やコストだけでなく、サポート体制の充実度もチェックしましょう。自社に合わないシステムを選ぶと、業務負荷の軽減ができなかったり、利用者の満足度が低下したりする可能性があります。この記事では、施設予約システムの選び方や導入時のポイントについて解説します。
目次
施設予約システムとは
施設予約システムとは、各自治体が管理している体育館や文化会館などの公共施設の予約や空き状況の管理などをオンライン上で行うことができるシステムです。
オンラインでの利用登録やマイナンバーカードでの本人確認が可能なほか、支払いもクレジットカードなど、一般的なキャッシュレス決済に対応しているため、オンライン上で予約を完結することができます。住⺠サービスの利便性向上につながるだけでなく、施設管理のオンライン化を実現し、行政手続きのデジタル化の促進を図ります。
施設予約の現状の課題
住⺠サービスとして人気の高いスポーツ施設や会議室の利用など、自治体が管理する施設を利用する際、利用者登録や施設の予約が必要になりますが、全国の自治体のうち約70%の自治体では施設予約システムが未導入です。
そのため、多くの自治体では利用者登録や施設の予約を、役所や現地の施設で職員や施設管理者が対面で行っています。このように現地での紙のやりとりや現金による決済は、住⺠の不便が多い上、自治体の窓口での作業負担が大きい状況です。
施設予約がオンライン化している背景とは?
自治体でも進んでいるDX化の推進により、ビジネスプロセスがデジタル化されています。その一環として、施設予約のオンライン化が進んでいます。
従来の手作業で行われていた紙ベースの予約管理は、手作業で行なっていたため、時間と手間がかかるだけでなく、人為的なミスや情報の不正確さも招きかねません。これにより、予約の重複や正確な予約情報の把握が困難になり、利用者や施設管理者の双方にとって不便な状況が生じています。
施設予約をオンライン化することで、従来の窓口での申し込みに比べて、利用者が時間や場所を選ばずに予約できるため、住民サービスの利便性の向上や、自治体の窓口での作業負担が軽減されます。
施設予約システムを導入するメリットは？
施設予約システムの導入によりさまざまなメリットがあります。自治体と利用者、それぞれにとってのメリットを解説します。
自治体のメリット
施設予約システムは利用者自身で予約を行うことができます。そのため、今まで手作業で行なっていた業務がオンライン化でき、管理業務の負担が軽減され、時間と労力を節約することが可能になります。それにより、スタッフは他の業務に集中できるため、業務効率化が図れるようになったり、そのほかの質の高いサービスの考案に時間を割けるようになります。
また、予約履歴の蓄積やデータの管理・分析によって、利用者の傾向や施設の稼働率、需要の把握が容易になり、効率的な施設運営とサービス向上に役立てることができます。
利用者側のメリット
従来、利用する施設での直接予約が必要でしたが、オンライン化により、窓口に並ぶ手間や待ち時間がなくなり、営業時間や場所を問わず、好きな時に予約をすることが可能になります。また、キャッシュレス決済など支払い方法も選択できるため、都合に合わせた支払いが可能になります。システム上で予約情報が一元管理されるため、施設の重複予約といった問題も解消され、利用者にとっても利便性が向上します。
施設予約システムの選び方4つのポイント
施設予約システムを導入する際には、いくつかの重要なポイントに留意する必要があります。これらのポイントに留意しながら、施設予約システムを導入することで、効果的な運用と利便性の向上を実現できるでしょう。
機能性
システムを選ぶ際は、予約管理、支払い、レポート機能などの重要な機能が揃っているか確認しましょう。過剰な機能や複雑さはコスト増や負担につながるため、必要な機能を把握し、シンプルで使いやすいシステムを選ぶことが重要です。また、利用者目線に立ち、利用者がストレスなく予約手続きや決済ができるかどうか、モバイル対応や直感的に操作ができるかどうかもチェックすることが大切です。
コスト
システム導入時は、初期費用だけでなく、運用や保守にかかるコストも含まれるため、月額費用、オプション料金など、すべてのコストを把握し、予算内にコストが収められるシステムを選びましょう。長期的な利用コストも考慮し、追加費用を見込んで予算を見積もることが重要です。また、過剰な機能やカスタマイズ、サポート費用の見落としが予算超過の原因となるので注意が必要です。
セキュリティ
施設の予約には利用者の個人情報が含まれるため、顧客データや決済情報のセキュリティを確保し、SSL認証やデータの暗号化がされているかを確認しましょう。セキュリティ対策やプライバシー保護の観点から、適切なセキュリティ機能を持っているかを確認し、個人情報を適切に管理することが重要です。
サポート体制の充実度
システムの導入後も適切なサポートが受けられるかどうかを確認しましょう。システム導入後には、管理者への操作方法のレクチャーやトラブル時の迅速なサポートが受けられるかが重要です。適切なサポート体制が整っていることで、システムの効果的な活用と問題解決がスムーズに行えます。
まとめ
自社にあった施設予約システムを導入しましょう
施設予約システムは、各自治体が管理している公共施設の予約や管理をオンライン上で行うことができるシステムです。施設予約システムを導入することで、自治体の業務効率化だけでなく、利用者の利便性も向上します。
自社に最適な施設予約システムを導入する際には、「機能性」、「コスト」、「セキュリティ」、「サポート体制の充実度」のポイントを確認することが重要です。
運用管理を行う自治体の目線だけでなく、利用者の目線に立ち、使いやすいシステムであるかを確認しましょう。施設予約をオンライン化するメリットやポイントを知り、自社に合った施設予約システムを導入することが大切です。
