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顧客エンゲージメントとは?高めるメリットや3つの施策を紹介

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インターネットを通じてサービスを利用するSaaS(Software as a Service)の登場や、月額料金を収益源とするサブスクリプションモデルの台頭など、企業を取り巻くビジネス環境は大きく変化しました。それに伴い、注目を集めているのが「顧客エンゲージメント」と呼ばれる指標です。市場のコモディティ化が進む今、顧客エンゲージメントを向上させることが競合他社との差別化にもつながります。顧客接点となるWebサイトやSNSのあり方を見直し、顧客エンゲージメントを高めましょう。この記事では、顧客エンゲージメントの定義や重要性、高めるための施策やメリットについて解説します。

顧客エンゲージメントとは


顧客エンゲージメントとは、企業と顧客の関係性を指す言葉です。顧客エンゲージメントが高い場合、企業と顧客の間に信頼関係が育まれ、長期的な関係性が生まれていることを意味します。企業と顧客の信頼関係を表す顧客エンゲージメントに対し、企業と従業員の関係性のことを従業員エンゲージメントと呼びます。ここでは、顧客エンゲージメントと間違われやすい顧客ロイヤリティや顧客満足度との違いを解説します。

顧客ロイヤリティとの違い

顧客エンゲージメントとよく似た言葉が、顧客ロイヤリティ(Customer Royalty)です。顧客ロイヤリティは、顧客が企業やブランド、商品に対し、どの程度の信頼や愛着(Royalty)を抱いているかを示すための指標です。顧客エンゲージメントとの違いは、顧客との関係性を見る視点にあります。顧客エンゲージメントは、企業・顧客それぞれの立場から見た互いの関係性を示す言葉です。一方で、顧客ロイヤリティは、企業から見た顧客の信頼度を評価する指標です。顧客ロイヤリティは、0~10点の11段階で自社の商品やサービスの推奨度を評価する「NPS(ネットプロモータースコア)」などの手段によって可視化できます。

顧客満足度との違い

顧客エンゲージメントは、顧客満足度(Customer Satisfaction)と混同されることもあります。顧客満足度とは、文字通り自社の商品やサービスへの満足度を表す指標です。顧客満足度は、顧客エンゲージメントを構成する要素の一部です。顧客満足度が高いからといって、企業と顧客の間に長期的な信頼関係が育まれるとは限りません。顧客の期待を裏切らず、良質な商品やサービスを継続して提供し続けることで、はじめて顧客エンゲージメントを高めることができます。

顧客エンゲージメントの重要性

そもそも、なぜ顧客エンゲージメントを高める必要があるのでしょうか。顧客エンゲージメントが注目を集める背景には、企業を取り巻くビジネス環境が変化し、LTV(顧客生涯価値)の重要性が高まったことが挙げられます。とくに企業と顧客の関わり方に大きな影響を与えたのが、SaaSやサブスクリプションサービスをはじめとした新しいビジネスモデルの登場です。SaaSやサブスクリプションサービスは、これまでの買い切り型のビジネスモデルと違い、月額料金を収益源としたビジネスモデルです。つまり、顧客が長く商品やサービスを利用してくれるほど収益が大きくなるため、顧客と良好な関係を築くことが収益(LTV)の最大化につながります。顧客エンゲージメントを高め、自社のファンを育成すれば、同業他社への競争優位性を獲得することも可能です。

顧客エンゲージメントを高めるメリット

顧客エンゲージメントを高めるメリットは3つあります。

  • 商品のリピート購入につながる
  • アップセルやクロスセルの機会が増え
  • 良い口コミが増加し、新規顧客の獲得につながる

商品のリピート購入の増加や、アップセル・クロスセルの増加は、LTVに大きな影響を与える要素の一つです。また、顧客エンゲージメントを高めれば、口コミ効果によって新規顧客の獲得にも期待できます。

商品のリピート購入につながる

顧客エンゲージメントが高まれば、商品やサービスをリピート購入してくれる可能性が高くなります。とくに月額料金制のサービスを提供している場合は、顧客との良好な関係を維持することが、サービスの安定的な売上につながります。

アップセルやクロスセルの機会が増える

商品のリピート購入だけでなく、アップセルやクロスセルの機会が増加するのも、顧客エンゲージメントを高めるメリットのひとつです。アップセルとは、「より上位のプランや単価の高い商品を購入してもらうこと」、クロスセルは、「購入した商品とセットで別の商品を購入してもらうこと」を意味します。アップセルもクロスセルも、顧客との信頼関係がなければ成り立ちません。顧客エンゲージメントを高めることで、アップセルやクロスセルの機会を増やし、顧客単価を向上させることが可能です。

良い口コミが増加し、新規顧客の獲得につながる

SNSやブログなど、便利なコミュニケーションツールが普及した結果、消費者が自由に意見や感想を発信できるようになりました。顧客エンゲージメントを高めれば、自社の商品やサービスに好意的な口コミが増加し、新規顧客の獲得につながる可能性があります。

顧客エンゲージメントを高める3つの施策

顧客エンゲージメントを高めるには、どのような施策が必要なのでしょうか。顧客と長期的な信頼関係を築くには、Webデザインの改善やSNSを通じたコミュニケーション、情報を見つけられる環境作りなど、地道な努力の積み重ねが必要です。顧客エンゲージメントの向上につながる3つの施策を紹介します。

自社サイトのWebデザインを工夫する

コーポレートサイトやECサイトなど、Webサイトは重要な顧客接点のひとつです。「Webサイトの読み込み時間が長い」、「メニューやナビゲーションが多く、ページにたどりつけない」など、自社サイトのユーザビリティが低い場合、顧客との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。Webデザインを工夫し、魅力的で快適なWebサイトを制作することで、顧客に良い印象を与えることができます。

SNSアカウントを運用し、顧客と双方向なコミュニケーションをとる

SNSアカウントは無料で開設できるため、販促活動やブランディングを目的としてSNSを運用する企業も増えてきました。SNSは顧客エンゲージメントの向上にも役立つツールです。SNSアカウントを運用すれば、自社の商品やサービスに関する情報発信だけでなく、「いいね」やリツイート(リポスト)、リプライなどの手段を通じ、顧客と直接やりとりすることもできます。顧客との双方向なコミュニケーションを通じ、自社のファンを増やしていくことができます。

顧客がほしい情報を見つけられる環境を作る

顧客と良好な関係を築くためには、顧客がほしい情報をいつでも見つけられる環境を作ることも大切です。顧客が商品やサービスに関する疑問や悩みを持ったときに、すぐに解決ができなければ顧客エンゲージメントの向上につながりません。「求めている情報がすぐに見つかる」「窓口にすぐつながる」など、いつでも自己解決できたり、オペレーターにすぐつながる環境があれば顧客エンゲージメントを高めることができます。そのためにもFAQ管理システムやチャットボットシステム、IVRなどのツールの導入も検討しましょう。

【まとめ】

顧客エンゲージメントの重要性を知り、SNS運用やFAQサイト作成などの施策に取り組もう

顧客エンゲージメントは、企業と顧客の間の信頼関係の大きさを表す言葉です。SaaSやサブスクリプションサービスをはじめとしたビジネスモデルの登場によって、企業と顧客の関係性は大きく変わりました。顧客エンゲージメントを高め、顧客と長期的な信頼関係を結ぶことができれば、LTV(顧客生涯価値)を最大化することができます。顧客エンゲージメントを高めるには、自社サイトのレイアウト改善やSNSアカウントの運用、FAQ管理システムやチャットボットシステムといったツールの導入など、できるところから顧客との関係を構築していくことが大切です。

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